第256話【ネタバレあり】同士討ちによる世代の更新【解説編】
ご覧いただきありがとうございます。
以下、いささかのネタバレを含みます。
ネタバレの苦手な方は、是非、第001話から第100話までの本編をお楽しみの上、再度お越しください。
なお、第十二章~第十九章、第110話~第199話は欠番で、最初から存在しません。
――ここから――
もともと、徹攻兵の誕生日の法則は早くに情報漏洩している想定でした。
正直、誕生日の法則だけわかっても、第一世代型装甲服の諸元とかわからないと試しようがないし、血統とも違う「民族特性」なんていう特性の中で、更に本人の思想的特性にも左右されるなんていう、特異過ぎる条件が重ならないと発動しないことから、誕生日の法則が漏れても、知らされた方もどうしようもないという要素があります。
そんな中でかの国も最初はチベタンやウイグルを避けて実験するのですが、やはり発動しなくてチベタンに手を出すと。
そしてウイグルの高齢者に目を着けるのは本編でも書いたとおりですが、これ、徹攻兵の謎の力がどこから来るかの種明かし編でもあるんですよね。
謎は謎のままにしておきたくて、あまりストレートな表現は取っていませんけれども、ちりばめた破片を集めていただくと、ある出来事の日にたどりつくという。
本編の主題からも外れるのでぼやかしたままにしていますが、ここで副産物として出てきたのが高齢の顕現者が大量に存在するという状況。
この、高齢の顕現者が大量に存在するということと、実戦を経るごとに主人公達が世代を上げる切っ掛けをつかむことがつながって「同士討ちによる、急速な徹攻兵の育成」という設定につながったのです。
思いついた時には一般的な読み物として酷な描写かなとも思ったのですが、かの国で行われていると噂されることと対比させると、
決してリアリティに欠ける設定でもないかな、と。
かの国を舞台にした物語も多くある中で、本作ではどうしても敵役をになってもらってしまったなー、という言い訳でもあります。
ちなみに、三一式に対応した輝巳を的にした疑似同士討ち試験では、リリーとキエラには成長が見られましたが満と優子には成長がありませんでした。
これには鬱病も影響していて、リリーとキエラにはファイアリー・クロス基地ですでに第四世代型装甲服への対応の芽がはぐくまれていたところ、輝巳への実弾攻撃が閉じこもっていた殻を破った格好であるのに対して、健常者である満と優子には、まだその芽がなかったという背景があります。
鬱病と顕現者適性の関係性については、次作でも触れるつもりです。
もうね、この病にかかったからには、とことん設定として利用してやりますよ。
転んでも、ただで起きるものか。
もし、お気に止まりましたら100話までの本編をご笑覧ください。
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