第3話病気だ
小学校三年生の時の話です。
両親が一時的に別居していた時がありまして、その時とある長屋の一軒家に引っ越したんです。
そこで、私は妙な体験をしました。
毎晩、夢の中に見知らぬお婆さんが現れ、私を見てケタケタと笑うんです。
その顔が本当に気持ち悪くて、頭の中が変になりそうでした。
お婆さんの顔が頭の中を掻き回すように、ぐるぐる回りながら、そして気持ち悪いあの笑い声が、いつまでも響いてくるんです。
朝になると私は高熱を出し学校を休む。
これを毎週繰り返したんです。
流石におかしいと思ったのか、学校側は家庭訪問と称し担任を家に送ってきたのです。
そして私がなぜ学校を休むのかと親に聞いていました。
すると母は、
「真夜中の一時になると、急に布団から飛び起きて、いきなりその場で跳ねるんです、何度も」
初めて聞きました。恐らく私があの気味の悪いお婆さんの夢を見ている時でしょう。
現実の私は全く意味の分からない行動を取っていたんです。
母の話曰く、散々その場で飛び跳ねた私は、今度は泣き叫びながら台所へと走り出し、勝手口のドアノブを掴みガチャガチャと鳴らした後、Uターンし、また布団の上まで走って戻って来ると、その場に倒れ込み死んだように眠ったとの事です。
そして起きると必ず熱を出して学校を休むという事でした。
話を全て聞いた先生は、一度精神科に私を連れていくようにと母親に言い残し帰って行きました。
すると母は、
「これが病気ならどんだけ楽かって話しよね」
と言って私に言っていましたが、私が何のこと?といった顔をしていたため、
「分かるわけないよね、ごめんごめん」
と、言いながら私の頭を撫でてくれました。
次回へ続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます