鎧のなかの・・・

出会ったばかりのあなたの心は

あんなに眩しく 輝いてたのに

大きな時のうねりに飲まれ

あなたの心はいつの間にか

重い鎧で覆われていた

大きな兜の影に隠れて

顔さえ全く分からなかった


剣を構えて臨戦態勢

まるでそれは四面楚歌

見えない敵と戦い続ける

あなたは孤高の剣士のよう


いったい誰と戦ってるの?

あなたの味方はたくさんいるのに

どうしてそんなに怯えているの?

誰一人として 信じることなく


あなたが負った傷の痛みを

全ては理解できないけれど

その一部でも ほんの少しでも

分かりたいと願ってる


剣は構えたままでもいい

鎧も着けたままでいい

ただ、兜を少しずらして

あなたの前のわたしを見て


わたしはあなたの敵じゃない

あなたを傷つけたりはしない

味方だとは思えなくても

武器は持っていないでしょう?

もしこの言葉が嘘だったなら

躊躇うことなく その剣で

わたしを切って構わない


わたしの願いはひとつだけ

いつかあなたが自らの意思で

剣を捨てて 鎧を外し

兜を脱いで あなたの顔を

優しい心を 見せてくれたら


待っているから ここであなたを

わたしはずっと 見守ってるよ

鎧の中の 孤高の剣士

ほんとのあなたを 私は知ってる

壊れそうな心を抱えた

優しい目をした あなたの姿

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