第7話 セイラの学園生活

王都の屋敷に無事着いたと言う報告は、執事がすでに両親へ報告済みだという。


「とりあえず、お父様とお母様に、近況報告をしなくちゃ」



【無事に到着いたしました。ユベールお兄様と学園の下見に行ってきました。とても広い校舎で驚きました。学園に通うようになったらまた手紙を送りますね。お父様・お母様、体にお気を付けください セイラより】



 レオのことは書いていないけど、良いよね。レオにはおばさまに返事を書くように言ったから大丈夫でしょう。



******


  入学初日


 割り振られたクラスへ行くと二十人ほどのクラスだった。男女、十人ずつで、国中の貴族が集まっていた。


 見るからに都会出身、田舎出身と分かってしまうので、少し肩身の狭い思いをしたけれど、それは思い違いだった。

 王都の話を聞いていると楽しいけれど、私はやはり領地の方が良い。

 遊ぶには最高の場所だけれど、一生の住処ではない。


 王都が栄えていないと、国が危険な状態になると言うこと。

 我が国の王都は栄えているので、安定していると言う事がよく分かった。



 クラスメイトの女子と交流を深めるため、さっそくお茶会の約束をした。

 寮に住んでいる子は、場所の確保等、負担になるので、主催は王都に屋敷があるものでの順番となった。

 田舎にいた時にするお茶会は同世代の子がいなかったので、正直わくわくした。



 くじ引きで順番を決めると、セイラは三番目に当たった。

 クラスの女子は五人が寮生だから、ちょうど真ん中あたりにお茶会が回ってくる。


 まずは侯爵家にお邪魔した。圧巻のバラ園にまず驚いた。


「すてきですね。どうやったらこのように見事にお花が咲かせられるのでしょう……」


 ほぉっと。見惚れるように呟くと、庭師を連れてきてくれて、お話を伺う事ができた

 おもてなしとはゲストが喜んでくれる事ですものね。と侯爵令嬢は気さくな方だった。 お土産に素敵なブーケを持たせてくれました




 お次は伯爵家にお邪魔した。カラフルなお菓子がたくさん用意されていた。

 

「見たことのないお菓子がたくさん……」


 目移りしてしまう、華やかな盛り付け。


 王都で流行っているお菓子がたくさん

 飲み物は、いま流行っていると言うコーヒーを出されましたが、私には苦くて口に合いませんでしたが、コーヒーを使った焼き菓子はほろ苦くて美味しかった。

 お土産にカラフルなお菓子を持たせてくれました。



 続いてはセイラの番で子爵家のタウンハウスに招待しました



「まだ王都に出てきたばかりで、皆さんのようなおもてなしは出来ませんが、ごゆっくりお寛ぎください」



 ユベールお兄様に、相談したところガーデンティーパーティーにする事にしましたので、日除けの大きなパラソルを用意しました。ゲストとどう過ごしたいかとお兄様に問われ、お話を楽しみたい。と伝えました


 侯爵家のような見事なバラ園はないけれど、ちょうど百合が咲く時期でした。

 見た目も美しく、花の香りも癒されます


 おもてなしには弱いかもしれませんが、クッキーやケーキを何種類も用意しました。

 製菓の材料を販売しているお店で作り方を教えてもらった、ケーキも初披露です。



 ゲストの方が使うクッションには、百合の刺繍を施して、テーブルクロスもお揃いにしました。


 全体的な雰囲気は豪華ではなくアットホームという感じになりました。

 お茶はブレンドしたハーブティーなどを何種類も用意しました。



「とてもアットホームで落ち着きますわ」

「このお菓子も甘さが控えめで、つい食べ過ぎてしまいました」

「お茶も自ら淹れてくださって、素晴らしいわ」



 お褒めの言葉をいただき、ほっと胸を撫で下ろしました。

 お土産にはレースを使った手製の巾着にポプリを入れて渡しました。

 安眠効果のあるジャスミンのポプリです。



 全て手作り……見る人から見たら華やかさにはかけるでしょう……でもお褒めの言葉もいただいたから、これからはもっと精進します。



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