エピローグ

第22話 その後……

チーム東大FAの4人は、マサチューセッツのハーパート大学に留学し、2年間のMBAコースに入った。


そこで、それぞれの人生の方向性を見つけることになる。


「おれは、やっぱりこれがやりたかったんだ」


満面の笑みでアメフトチームに入ったトシは、M&Aどころか経済学にすら見向きもせずにプロを目指して日夜練習に試合に走り回っている。

おそらく、MBAは卒業できなさそうだが……本人にとっては良いことなのだろう。


「……やっぱりアメリカにアキバ文化は百年早い」


そう名言を残してさっさと帰国したのはケイスケだ。

どうやら、アキバのローカルアイドルが忘れられなかったらしい。

まあ、彼に実力であれば、帰国してもどこでもやっていけるだろう。


「あのね、私、Aqqleへのインターンシップに誘われたの……フユミ、一緒に行こう?」


どうやら、全国学生M&Aクイズ大会決勝のプレゼンの話がAqqle本社の幹部の耳に入ったらしい。

MBA課程の途中で異例のオファーを受けたのは、発案者のミユキだった。

面白い提案だから、うちでM&Aやって見てもらおう。

もちろんチーム東大FAのメンバーも一緒で構わない。

ということらしかった。


「すごいね。でも、ハーパートから離れちゃうんでしょ?」

「そうよ。シリコンバレー、クパチーノ!」

「西海岸か……」

「ね、いいじゃん。サンセットビーチよ?それに、ナパバレーも近いわ。カリフォルニアワインよ」

「まー、いっか。確かにワイン美味しそうだし、行ってみる?」


こうして、チーム東大FAは解散し、あらたにチームFA……もとい、チームFM(フユミ&ミユキ)が西海岸へと旅立って行ったのだった。



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