第20話 決勝(6) 買収ストラクチャー
ケイスケは不敵な笑みを浮かべた。
「では、本当に、時価総額1位が6位を買収することなどできるのか?
答えは、YESです」
スクリーンの画面が変わる。
「AqqleがMetyaを買収するには150兆円ほどのお金が必要です。
さすがのAqqleもそのようなお金は用意できないでしょう。
しかし、Aqqleが自社の株式をMetya株主に与えることでMetyaを吸収する、
いわゆる三角合併であれば、2社の統合は実現できると考えます」
チーム東大FAの4人がステージに並んだ。
「当然簡単にできることではありません」
画面には、想定される課題がいくつも映し出された。
両株主の理解、独禁法、税金問題、そもそも両社が長年喧嘩し続けている問題……
「でも、可能性はゼロではありません。
M&Aは、Aqqleさえもさらに進化させる可能性を秘めています。
これができれば、史上初の時価総額400兆円を超えます」
会場が大きくざわめく。
「それだけではなく、SNSを持たないAqqleがついにSNSを手に入れる。
そして、中々本格普及に入らないメタバースも手に入れる。
今までにない画期的なサービスを始めることができるのです」
そして、いつの間にかステージに全員が揃って並んで、声を合わせた。
「「だから、我々はあえて、AqqleとMetyaの統合を提案します」」
会場から、これまでに聞いたことがないほどの大きな拍手と歓声が鳴り響いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます