統合失調症になってしまった人よ!どうか2年間は耐えろ!

 短い話になるかもしれない。


 閉鎖病棟隔離室を経験するほどの統合失調症になってしまった人は、間違いなくこの記事は有益に働くと思う。


 これだけが言いたい。「どうか2年間は耐えてほしい!」という主張だ。


 答えは簡単で、障害年金の受給が発症から1年6ヶ月を過ぎないと申請できないからだ。


 そして、申請したら、約半年、厚生労働省で審議のうえ、正式に障害年金の受給が決定するからだ。


 つまり、1年6ヶ月+6ヶ月=2年、という計算が成り立つのだ。


 苦しいのは分かっている。地獄のような日々、もしくは死に絶えた後の天国のような日々を送ってしまうことはよく分かっている。統合失調症は病気ではなく、何かの試練だと思うことも、よく分かっている。統合失調症は病気でもなく、誰かからの攻撃であり、神秘的な怪奇現象が起こることも、よく分かっている。あなたの味方だ。だから、声を大にして言いたい。


 「頼むから2年だけ、耐えてくれ!」と。


 「障害年金がなんだ。一年で78万程度の金しか入らないじゃないか」と思う人もいるかもしれない。しかし、厚生労働省の審査が終わり、半年分の障害年金がどっと40万円近く振り込まれる。それだけで「本当に、誰かから攻撃をずっと受けていて、不自由な人生になってしまったけれど、」と心の底から思えるのだ。と自分を肯定することができる。


 もしも、「別に閉鎖病棟隔離室に入れられるほど、重症じゃなかったし、なぜか精神科に行ったら統合失調症と診断されたんだよね」という人もいるかもしれない。そういう人は選択の余地が与えられる。


 健常者として生きるか、障害者として生きるか。


 障害者になってしまった後も、自分が障害者として見られることを嫌う人は一定数いる。もっと強く言えば、かなりいる。経験上「やっぱり障害者手帳を取りました」と数年健常者として頑張り、手帳を取る人もいた。


 「障害者手帳を取らざるを得なくて、障害者になった」という人は、閉鎖病棟隔離室など地獄を経験している。何か対価が欲しいと思わない限りは、「自分が障害者になってしまった」と抵抗を感じることも多くあると思う。特に親と暮らしている人などは、親の世間からの目線を気にして、障害者手帳をあえて取らない人も大勢いるだろうと思う。私が精神科から退院した後も、ソーシャルワーカーさんから「障害者手帳を取る予定ですか?」と聞かれ「もちろんです」「それでいいと思います。僕も賛成です。世の中には障害者手帳を取りたがらない人もたくさんいるんですよね」といった会話を思い出す。


 それは、いいとして。最後にもう一度。


 統合失調症と診断され、地獄のような日々を送るみなさんよ。どうか2年間は耐え忍んでほしい! それだけで、少しは、道が開けるから。


 これだけが、統合失調症経験者として言いたかった主張である。

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