無題の小説

トウヤ・ウナム

第1巻〜少女の出会いと時元扉〜

stage1-出会い篇

第1頁「少女が降った夜」

 ある日、私がふと目を覚ますと、知らない星の知らない空を落ちていた。下に目をやると、見たことのない生き物や植物がウジャウジャいる。身の安全の為、私は服の側面にあるレバーに手を伸ばす。なんとかジェットを展開出来た。でも、私は空を飛ぶことに慣れていない。勢い余って大きな岩にぶつかってしまった。大きな口の生物が、私の方に向かって勢いよく川から出てきた。焦った私は走って走ってこの広大な草原から出ると、家が沢山並ぶ所に出てきた。生き物は見逃した様なので、疲れた私は近くの座れそうな木に座った。

 このまま座り込んでいても何も始まらない。私はとりあえず周辺の家に泊めてもらえるか、一軒一軒頼みに行ってみた。

「スウハ アユ トッア イテス ミ ツッレ ウユ ドォウ?」

「ん?見ねぇ顔だな、何しに来たんだ?」

(ひぃぃ・・・!なんかこの人怖い・・・。)

「リソ・・・!」

私は急いでその場を後にした。

「俺、なんか怖がらせちまったかなー。」

 そのあと数10軒聞いてみたけど、当然私の言葉は分からない。家族ともはぐれて頼れるものが何一つない私にとって、今のこの状況はとてもつらい。

 深くは考えていなかったけれど、なんで私はこの惑星にいるのだろう。そんな事を考えているとなんだか自分がわからなくなってきた。通信装置は壊れたし、この惑星の生き物の話すことはわからない。いや、だめだ。そんな後ろ向きなことを考えてはいけない。とにかく今は泊めてくれる家を探さないと・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る