なつかの死の理由

月影

第1話 なつかの死

私は穴花しずく。

小学校のいじめられっ子だ。

そんな私の一番の友達は「なつか」というずっと同じクラスの人だ。なつかはいじめられてる私をいつも助けてくれる。

私は6年生になった。なつかと同じクラス…のはずなのに、お互い違うクラスになってしまった。

またいじめられたらどうしよう。そんな事を考えてドキドキしながら、私は6ー2の教室に入った。クラスの生徒達が変わってしまったので、知らない人だらけだった。すると、こんな事が耳に入った。なつかが学校の屋上から飛び降りて死んでしまったのだ。私は黙って席について周りを見た。なんのまた、前のクラスのいじめっ子がいた。同じクラスらしい。

すると、いじめっ子のリーダー、「かな」が話しかけてきた。

「よかったね」

「え?」

「だから、よかったね。なつかの事、本当はめんどくさかったんでしょ?だから、死んじゃってよかったね」

それを聞いた私は、不思議に思った。

「え?私…そんな事思って…」

「いい加減に、いい子ぶるのやめてくれる?ムカつくから」

すると同時に、先生が入って来た。かなは黙って自分の席に戻った。

いじめっ子と同じクラス。なつかが死んだ。

その思いが、全体に押し寄せてくる。私はただ黙っていた。

すると、前に一緒のクラスだった「ひなた」が話しかけてきた。

「私の隣でよかったね。いじめっ子には私、強いから」

それを聞いたら、少しほっとした。

休み時間、私はひなたと一緒に話していた。すると、後ろからこんな声が聞こえた。

「ねえ、かなから聞いたんだけどね、しずくって奴、ずっとひなたと一緒にいるのはいじめから助けてもらうためなんだって」

「は?ホントムカつく。ひなたも、案外あまいんだね」

私はそれを聞いて、ばっと席から立った。

「私の事はどうだっていい。だけど、ひなたには何も言わないで」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る