幼馴染みのおっぱいは下から見ると圧巻だ
「眠くなってきた」
胸を押し付けられながら告白された大輔は、温かい感触のせいで睡魔が襲ってきた。
五月という過ごしやすい気候も関係しているのかもしれない。
心地良い天候の時はどうしても眠くなるのだ。
「またあまり寝ないでアニメでも見ていたのですか?」
未だに胸を押し付けてくる都であるが、こちらに白い目を向けてきた。
「最近は見逃し配信は無料だし、月に千円払えばアニメ見放題だから」
スマホで手軽にアニメを見れるため、見すぎて夜更しをしてしまうのは良くあることだ。
面白いのが悪い、といつも自分に言い聞かせ、次の日に眠くなるのが分かっていながらアニメを見る。
「でも、今日は大ちゃんの誕生日ですし、私に甘えてもいいですよ?」
優しい微笑みを浮かべた都は、何を思ったのか「えい」と自身の胸に大輔の顔を埋めさてきた。
顔全体が柔らかい感触に包まれるも、これがラッキースケベ体質のラブコメ主人公が感じてる感触なんだな、と思っただけだ。
女性特有の甘い匂いも感じるが、普段から近くにいるから何も思わない。
「凄いドキドキしてる?」
「はい。その……凄い恥ずかしいので」
都の鼓動は激しく早く動いており、物凄く恥ずかしがっているのが分かる。
今は顔が見えていないが、顔全体が真っ赤になっているのだろう。
恥ずかしいなら止めればいい、と思ったものの、今の都が止めるのは絶対にないと断言出来る。
「でも、大ちゃんには現実の女性の良さを分かってほしい、ので」
好きな人に振り向いて欲しいからという理由で、苦手なえっちいことをしてくる都の覚悟は相当なのだから。
本気で抵抗すれば向け出せるものの、ぎゅ、と頭を抑えつけられた大輔は、都の胸を感じられずにいられなかった。
「都の鼓動のせいで眠れないんだけど」
さっきからドクドク、と激しい鼓動を感じているせいで、眠くても寝ることが出来ない。
「離れるのはやあです」
甘い声が聞こえたと同時に、頭を抑えつけられる力がさらに強くなる。
細い腕だから痛くはないが、離れてほしくないから力を入れたのだろう。
「分かった。なら膝枕にしよう」
このまま激しい鼓動を感じていたらいつまでたっても眠れないため、離れなくとも寝ることが出来そうな膝枕を提案した。
「分かりました」
膝枕は男性の夢と聞きますしね、と呟いて頷いた都は、一度離れてから頬を赤らめて立ち上がり、丈の長いワンピースの裾を太ももの根本付近まで捲り上げてから座る。
「ど、どうぞ」
ポンポン、と自身の太ももを軽く叩いた都の頬はかなり紅潮しており、相当恥ずかしいはすだ。
でも、異性として意識してほしいからか、恥ずかしくても膝枕を堪能してほしいのだろう。
私服は丈の長いスカートが多く、制服はタイツで太ももを見せないため、普段から一緒にいる幼馴染みの大輔でも久しぶりに都の生足を見た。
いくら毎日ご飯を作ってくれる関係だといえど、基本的に着替えやお風呂隣にある自分の家でするため、ラブコメアニメのような事故で覗いちゃった、みたいなことは起きない。
だけど都が座る時に桃色の下着のような布が少し見えてしまった事故が起きたのは気のせいにしておく。
「どうしました? 膝枕は大ちゃんが言い出したことですよ?」
「お、おう……」
若干戸惑いながらも、大輔は久しぶりに見る白い太ももへとゆっくり頭を乗せた。
細いながらも凄い柔らかく、普段使っている枕より太ももの方が気持ちいいかもしれない。
まさかワンピースの丈を捲り上げてしてくれるとは思ってなかったが、服越しではここまで気持ちよくならないだろう。
「仰向けになると凄い圧巻だな」
大輔の方が身長が高いため、普段は都の胸を下から見ることはない。
下から見る都の胸は本当に圧巻で、圧倒的な存在感を放っている。
「む、胸を見られるのは嫌ですけど、大ちゃんになら見せてもいいですし、触られてもいい、です」
存在感たっぷりの胸のせいで顔は見えないが、恐らくは真っ赤に染まっているだろう。
それでも触ってもいい、などと言うのは、異性として意識してほしいからに他ならないと言っても過言ではない。
「普段の都と違い過ぎて若干戸惑っているんだが」
いくら現実の人間に興味がないといえど、幼馴染みが普段と違い過ぎたら少しなりとも戸惑う。
「少し前に大ちゃんが読んでいる漫画を私も買って読んでみたんです」
電子書籍であれば書店と違って店員と顔を合わせることがないため、少しえっちい漫画でも恥ずかしがることはない。
「その漫画ではヒロインが主人公に積極的にアピールしていたので、私も変わらないといけないと思ったんです」
クールなままでは異性として意識してもらえません、と本気を感じさせる声で言ってきた。
確かに大輔の読む漫画はヒロインが凄い積極的で、普段クールな都と正反対な性格をしている。
クールなままではいつまでたっても異性として意識してもらえないと判断したのか、今日のように積極的になるべきだも判断したのだろう。
「ちなみにこの春、Gになりましたよ」
顔に触れるギリギリまで自身の胸を近づけていた都の、今まで聞いた中で一番の甘い声だった。
普段漫画を読みながら大輔は「おっぱい」と言っているため、都は大輔は胸が好きだと思ったようだ。
だから先程は胸を押し付け、恥ずかしくてもこうして胸を目の前にくるようにしているのだろう。
実際に漫画やアニメに出てくるヒロインの胸などは見てしまうために、大好きではある。
「その……これから大ちゃんは見放題だし、触り放題ですから」
男の本能を直接刺激するかのような台詞を、都は恥ずかしそうな声で言ってきた。
全ては異性として意識させるためだろう。
「都、取り敢えず妥協案がある」
「妥協案、ですか?」
「ああ。今すぐに恋人同士になるのは無理だけど、その一歩手前というのはどうだ?」
胸で顔は見えない都に対して、大輔は妥協案を提案した。
「一歩手前、ですか?」
「ああ。都は俺にいくらでも誘惑していい。今までも友達以上恋人未満の関係だったけど、これからはさらに恋人同士に近くなる。俺を誘惑して惚れさせれば都と付き合う」
どんなに断っても諦めるつもりはないだろうし、ここらがお互いに傷つくことがない妥協だろう。
キープしているクズかもしれないが、こうでもしないとさらなる手を使って誘惑してくる可能性がある。
だから妥協案として恋人の一歩手前の関係を申し出た。
「分かりました。少しでも可能性があるのであれば」
ソッと自身の手を重ねてきた都は納得してくれたらしく、これで沢山誘惑出来ると思っているようだ。
「じゃあおやすみ」
「この状況で寝るんですか? 大ちゃんが寝たら誘惑出来ないじゃないですか。それにこんなおいしい状況で寝るって……」
いくら現実の人間に興味がないといっても、美少女を好きに出来るのに寝るなんて有り得ない、と考えているのかもしれない。
確かに普通の思春期男子であれば押し倒しているだろうが、大輔は付き合ってもいないのにそんなことをしたいくないのだ。
「眠い」
押し倒すつもりはないし、何より睡魔に襲われているから寝たい。
「私がこんなにも誘惑しているのに何もしない辺りは大ちゃんですね。私の太ももをたっぷり感じて寝てください。おやすみなさい」
頭を撫でられながら言われた大輔は、ゆっくりと目を閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。