第502話 いまさら6


明日香の口から妖怪には医者がいない事を告げられる。


「だったら妊婦達を誰に診てもらえばいいんだ‥。」


明日香に聞けば分かると思っていただけにショックが大きかった。


「う〜ん、ちょっとニュアンスが違うような気がするけど‥。

 そもそも妖怪は死なないから‥。

 あっ、これも違うなぁ‥。

 説明するの難しいわね。」


明日香は眉間に皺を寄せて悩みます。


「妖怪について詳しく説明するから良く聞いてね。

 まず妖怪は子供を産まないの。

 まぁ、繁殖する必要がないのもあるかも‥。

 さっき話したけど、死なないではなく死んでも復活するの。

 そんな妖怪がもしも繁殖出来たら無限に増えていく事になるのよ。

 減らないからね‥。

 で、話を戻すけど死んでも復活するから医者を必要としてないの。」


明日香の言葉は衝撃的だった。


「不思議なんだけど、繁殖する必要がないから子供産まないって言ってたけど‥。

 何で明日香達は妊娠したの?

 あとそれに関係してるけど、何で妊娠したのがわかったの?」


俺は疑問に思った事を素直に聞いてみる。


「‥‥‥。

 何で妊娠したかは分からない‥。

 妊娠したのがわかったのは‥。」


そう言うと明日香は自分のお腹を優しく撫でる。


「ここに私と貴方の霊力が混ざった小さな存在を感じたから‥。」


なるほど、確かに自分の体内に別の存在を感じたらそう思うよな。


納得したのであった。

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