第479話 喧嘩8


さて、こちらは2回目だがお兄さんは初めて会う俺にかなり警戒しているようだ。


これも前回と同じようで、いつでも動ける体制をとっている。


ただ警戒はしているが話は聞いてくれるようなので説明を始める。


「突然このような場所にお呼び致しまして、申し訳ございません。

私はイチローと申します。」


前回と全く同じだと芸がないので少しアレンジを加えてみる。


今回は謝罪から入ってみた。


お兄さんから少しだけ緊張がとれたようでこれは成功したようだ。


「この場所は大魔道士である、私の妻が作った特別な空間です。」


お兄さんは俺の話を聞いて驚いたようだが、声をあげたり話を止めるようなことはなかった。


ヨシ、良い感じだ。


「それでは本題に入ります。

 私が何故、貴方をココに連れて来たかと申しますと‥。

 私が保護したアリシアの為だからです。」


今回はアリシアからのお願いとは伝えなかった。


ちなみにアリシアは別の場所に隠れてもらいながら話を聞いている。


「アリシアを保護したのか?」


お兄さんが確認してくる。


「はい、無事に保護しています。

 今は他の場所にいらっしゃるのでココにはいません。」


ここまでは完璧だ。


後は事情を話せば‥。


「私の妻を知らないか?」


しまった!

奥さんの事を忘れてた。


さて、どう伝えるか‥。

ここが正念場だと気合を入れるのであった。

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