第470話 説明3


「私は完璧ではありません!

 そうやって周りが期待するから、それに応えただけです!

 何故、それがわからないのですか?」


アリシアは叫ぶと徐に手を振り上げた。


え?

何をする気???


唖然とする俺はそれを目撃する。


アリシアは振り上げた手をお兄さんに思いっきり振り下ろす。


バチッ!!


それはもう、テレビで聞くような音ではなくリアルに痛そうな音が響く。


ちょっ、何をしてくれるの??


叩かなくてもいいじゃん。


アリシアは思いの内を叫ぶと、溜まっていたのかその鬱憤をお兄さんに叩きつけたようだ。


お兄さんは一瞬固まったが、すぐに叩かれた頬を手で触っていた。


相当痛いのだと察した。


しかしアリシアは止まらない!


「そうやって、皆が私を追い込んだ!」


今度は先程とは反対の頬を殴った!?


え?

殴るの??


渾身の左ストレートがお兄さんにヒットする。


お兄さんは血を飛ばしながら吹っ飛ばされてしまう。


あれ?

お兄さんは治療を目的にしていたような‥。


本来の目的と違う方向に進んでいるが、どうする事も出来ないでいた。

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