第457話 相談1


『さて、どうしようかね。』


俺がつぶやくとセオリが反応してくれる。


『何なりとお申し付け下さい。』


事が事だけにセオリは今回は真面目モードになっていた。


『まぁ、一つずつ解決していこうかな。

 まずは出来ない事を洗い出して‥。

 死者の蘇生と過去に戻すは無理だから‥。』


この時セオリは創造神であるイチローになら可能だと知っていたがあえて言わなかった。


創造神の力についてはセオリ、イブキ、イザナミの三神の取り決めで詳しく伝えないようになっている。(願いが叶いすぎると退屈になるからとの自らの体験談からそう決めていた)


『アリシアを娶りますか?』


セオリから創造していなかった事を聞かれて少しだけビックリしていた。


『娶らない。

 もうもうもう奥さんは充分です!』


本心を伝える。


『良かった。

 イチロー君がロリに走ったらどうしようかとイブキ達に話してたから‥。

 嫁達にはロリ枠が少ないからね。

 危うく覇権を取られるところだったよ。』


何が覇権だよ。

ロリ枠って何だよ!


『では、真面目な話。』


え?

今まで真面目じゃなかったの?


『国ごと我が国に取り込みますか?

 まぁ、他の人達に相談後になりますが‥。

 イチロー君の頼みを断る者はいないかと思うよ。』


うーん、これは迷うよな。


自分の国に人がいないからね、欲しいと言えば欲しいけど‥。


漁夫の利的なのは嫌な気もするし‥。


やってることは悪い人たちと同じになるからなぁ‥。


『あっ、一番大事なことを忘れてた。

 アリシアの家族は存命?』


俺は尋ねると少し間があってからセオリが口を開いた。


『真相を聞きたい?

 オブラートに包もうか?』


セオリのこの言い方だとかなり酷い事になっている事を悟る。


正直、オブラートに包んで欲しいが、気わると決めた以上は聞く義務があるような気がするので答えは絞られた。


『真相を聞かせて。

 知ってることは全部ね。』


俺の言葉にセオリは分かったとだけ伝えてくるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る