第438話 悪戯


ヴァンパイヤと吸血鬼が俺の血を吸おうと近づいてくる。


ヴァンパイヤの赤い目と吸血鬼の血走った目が獲物を見るような目つきだ。


正直少し怖かった。


二人が至近距離までくると緋莉が口を開く。


「首は駄目。

 腕ならいい‥。」


緋莉が止めてくれるかと思ったが単なる変なこだわりであった。


ヴァンパイヤと吸血鬼が左右に分かれて腕に噛み付く。


チュウチュウ血を吸って行く。


ん?

音の割に血がなくなる感覚がしない。


二人がさらに吸う力を強める。


そして二人同時に叫びだす。


「「不味!」」


二人は我慢出来なかったのかその場で吐き出す。


目の前で美女がゲロを吐いている‥。


見たくはなかったが吐いた物を見てビックリさせられる。


赤くない‥。


あれ、俺の血は赤いはずだけど‥。


動揺していると、どこからともなく笑い声が聞こえてくる。


「あはははははっ。」


笑いの主はセオリだった。


「何かした?」


爆笑するセオリに尋ねる。


「うん、ちょっとした悪戯。

 イチロー君の血を吸わせるワケないじゃん。

 2人が飲んだのはオ○ッコだよ。」


いや、伏せ字にしてもほぼバレてるから!

それよりも誰の?

思わずゲロって二人の心配よりオシッ○の持ち主が気になる。


まさか俺のじゃないよね?


「大丈夫だよ。

 イチロー君のは誰にも渡さないから。

 アレはその辺のおっさんのだよ。」


サラッととんでもない事を言うセオリであった。

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