　突然聞こえてきたセオリの声に驚いたがそれよりも内容の方が気になった。

『何でご老人がダメなの？』

悪い人には見えないので不思議に思う。

『あの人には問題ないよ。

　問題なのは奥さんの方かな。』

奥さんと言うことは昔のドラマに出て来た姑的な感じかなと勘繰る。

『そんな可愛い話じゃないよ。

　奥さんは旦那さんが買ってくる奴隷に不満があるみたい。

　前に買った奴隷は毒を盛って殺してる。』

セオリの話に驚く。

『旦那さんはそのことを知ってるの？』

気になっている事を聞く。

『知らない。

　実はすでに五人は殺されてる。

　普通なら疑問に思うはずだけど、旦那さんは馬鹿だからね。

　奥さんの話を鵜呑みにしているみたい。』

五人も殺されているのか‥。

この場にいない奥さんに恐怖を感じる。

『だったらあの中年の男性に買われた方が幸せかな？』

願望も込めてセオリに質問する。

『うーん、あの人はもっとダメかな。

　あの人、奴隷を食べるんだ。』

ん？

聞き間違ったかな‥。

『いやいや、人が人を食べるわけないじゃん。』

信じたくないので否定してみるが‥。

『昔から人肉を食べてる村の出身だからね。』

セオリの言葉に改めて異世界に来ている事を感じるのであった。

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