第371話 闇15


『セオリ、とりあえず連絡してくれた?

 頼めそうだった?』


ある人物への交渉をセオリに頼んでいた。


『う〜ん、連絡はしたけど‥

 ダメそうかなぁ‥』


セオリにしては歯切れが悪い物言いだ。


それにしても今まで何度も頼んだが断られた事がなかったので微妙にショックだ。


『あっ、勘違いした?

 断られたのは私がお願いしたからだよ。

 もう〜イチロー君は女心がわかってないね。

 要は直接交渉したいってことだよ。』


あっ、そういう事?

なるほど‥

確かに間接的にお願いするのは良くないよね。


『バカ。

 違うって。

 これ以上は付き合いきれないから会って話してね。』


セオリに呆れられてしまったようだ。


ん?

今、会ってて言ったよね?


セオリの言葉を思い出していると、突然座っている俺の膝の上に重たい物が現れる。


突然の事過ぎて反応出来ないでいると、いきなり唇を塞がれてしまう。


それはもう蹂躙に近い激しいキスであった。


目と鼻の先な愛しい妻が現れていた。


「寂しかった。」


あまりに可愛い緋莉の一言で、俺の理性は飛びそうになるのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る