第275話 腐ってやがる


 白音と玖々莉が作り出したのは巨大な泥人間だった‥。


普段は立ち姿のガイコツも泥が重いのか四つん這いになっている。


ん?この姿何処かでみたような‥。


しかも水分の多い泥なので、ドロリと垂れている。


んん?やっぱり何処かで‥。


満足気味の白音とは別に玖々莉のテンションが上がっているようだ。


「ほらほら、逃げないと踏み潰すぞ!!」


言葉遣いも荒くなってきていた。


「泥巨人、薙ぎ払え!!」


命令された泥巨大が口から泥をジェット水流で吐き出し、横薙ぎに振るう。すると泥水が直撃したモンスターが何故か空中に跳ね上がっていく。


泥水を吐き出した泥巨人は振動のせいでさらにダラダラと泥を垂れ流す。


あっ、これはダメなやつだ!


思わず、口から出そうになるセリフを我慢する。


「腐ってやがる。早すぎたんだ。」


空気の読めない馬鹿セオリが背後から危険なセリフを叫び出す。


思わず振り返ってセオリを睨む。


「いやー、一度は言ってみたかったんですよね。まさかリアルで使えるとは‥。」


俺も言いたかった‥と言うセリフを我慢しながらセオリのことを羨ましく思うのであった。

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