第260話 激震
今日は月に一度の全天使長が集まる会議だ。
天使軍は九つの部隊から成る。
*実際は部隊とは言わず、矢と称している
第一の矢:赤の衝突
第二の矢:青の衝心
第三の矢:黄の衝動
第四の矢:緑の衝天
第五の矢:紫の衝立
第六の矢:橙の衝重
第七の矢:茶の衝動
第八の矢:白の衝撃
第九の矢:黒の衝波
各矢の後ろに記載されているのが別名である。
天使長全員が円卓を囲んでお茶を飲んでいる。
全員白いドレスを着て、顔をベールのようなもので覆っている。
全てが白で統一されていて他の色が存在しない部屋はどことなく不気味に思える。
ちなみなに背中の翼は椅子に座るのに邪魔になる為、今は隠した状態だ。
全員が何も喋ることなく静かだ。
このまま何も喋らない意味のない会議が終わろうとしていると突然、第八の矢の天使長を呼び出す音が鳴り響く。
会議中に連絡をしてくる者など殆どなかったので、呼び出された天使長も何事かと焦ってしまだた。
「ラーナ様、会議中に申し訳ございません。」
連絡してきたのが副天使長のレーナだったので更に驚いてしまった。
「何があったのレーナ?そもそも会議中に連絡する意味わかってる?」
他の天使長も聞いているので、あえて怒り気味の声を出した。
「はい、わかっております。いかなる罰もお受けしますので‥。」
レーナが罰を受ける事をわかった上で連絡してきた事で、只ならぬ事態になっていると認識した。
「それで要件は?」
「お休みを頂きたく思います。」
えっ、それだけ?
思わず拍子抜けしてしまった。
「別に休むのはいいけど‥。そもそもレーナはずっと休んでなかったから休む事自体は大歓迎よ!」
「ありがとうございます。それともう一つありまして‥。」
やっぱり本命があったか。
思わず身構える。
「け、決戦用装備をお借りしたいと‥。」
「決戦用装備ですって!!」
レーナのトンデモない発言を聞いて、叫び声をあげてしまった。
決戦用装備とは、魔王などの超危険な敵用に開発された装備で数も少なく、簡単には借りる事が出来ないものである。
決戦用装備の名前が出てしまった事で、今まで傍観を決めてきた他の天使長も騒ぎだし、会議は大混乱になるのであった。
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