第250話 全滅


最初に助けた女の子が1人の女性とこちらにやってきた。


ボーイッシュな感じの女の子が上品になった感じの女性だ。

きっとお母さんなのかな?


「妹がお世話になりました。」


妹!?

母親じゃなくてお姉さんだったか‥。


「いえいえ、助けたのは偶然ですのでお気になさらず。」


「でも村を助けてくれたのは偶然ではないですよね。」

お姉さんがニッコリ笑う。


お姉さんは咲夜に似た雰囲気を感じる‥。少しだけ警戒レベルを引き上げた。


「応急処置で壁と堀を作って対応してます。2、3日はもつと思いますが、出来るだけ早く根本を解決しないといけないですね。」


「それでしたら私達の父と母を含む村の戦士達がスタンピードを起こしたダンジョンに向かっていますので‥。」


そこまで言うとお姉さんの表情が暗くなる。


その後、村などにモンスターが押し寄せると言う事は‥。


嫌な予感がするので俺も表情を崩してしまう。


『セオリ、聞いてるだろ?』


『もちろんです。』


『ダンジョンに向かった人達をこの村に強制的に転移させられない?』


『‥‥‥殆どがモンスターの胃の中にありますが、肉片だけでも転移させますか?』


クソッ!間に合わなかったのか‥。


『教えてくれてありがとう。転移させなくていいよ‥。』


『ちなみに女の子を助けた時点で全員死んでたので、どっちにしても間に合ってないから‥。イチロー君が責任を感じることはないよ。』

セオリの話を聞いて少しだけ気が楽になった気がする。

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