第139話 世界会議2


セオリの言葉に流石に聞き流す訳にもいかず、教皇が代表して質問をする。


「セオリ様、地下帝国は本当に実在しているのですか?我々の世界ではすでに滅びているのが今日認識なのですが‥。」


「もちろん実在するよ。数千年もひっそり地下で暮らしてきたけど、最近地上を攻めようとする過激派が勢い付いたみたいで、近いうちに地上に出てきそうかな‥。」


セオリ以外がごくりと生唾を飲む。


「まぁ、そっちは気が向いたらどうにかするわ。」


気が向いた時かよ!っと何人かが心の中で突っ込みを入れる。


「さて、蛮族とか地下帝国とかはどうでもいいのよ!今日集まってもらったのは、イチロー君の為に国を作ろうと思うの。なので賛成して!」

セオリが笑顔で威圧を込めると部屋の中がシーーーーンとする。


流石にセオリ相手に反対など出来る訳がないので、コンスタンティンが質問を始める。


「あのセオリ様、なぜ国が必要なのでしょうか?」


「良い質問だね、コンスタンティン君。」


セオリがニコニコで答える。


「イチロー君がゆっくりとした生活をおくれる環境が欲しいのよ。最初はどこか山奥とかに移り住もうかと思ったけど、さすがにそれでは退屈だし。かと言って街で暮らしてるとこの間の馬鹿のように喧嘩売ってくる奴があらわれるかもしれないし‥。それに神が住んでるだけでその国がアドバンテージをもつのも不公平だしね。」


不公平については王達は納得していた。


コンスタンティンは質問を続ける。


「セオリ様でしたら勝手に作っても我々は反対しなかったと思いますが‥。」


「イヤイヤ、国なんか勝手に作ったら駄目でしょ!今回集まってもらったのは貴方達の正式な許可が欲しかったのよ。」


「要は私達のお墨付きが欲しいって事でしょうか?」


「正解!」

セオリがコンスタンティンを指差して微笑む。


「なのでお墨付き頂戴!」

セオリがここ一番の笑顔でお願いしてくる。


ってか、断れる訳ないじゃん!と王達は思った‥。


「ちなみに国を作る理由はイチロー様をゆっくりさせたいだけでしょうか?」


「まぁ、ぶっちゃけ国を作って好き勝手やりたいのよ。」


それが本音か!と全員が心の中で突っ込んだ。

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