第46話 奴隷商2
俺たちは今、フライスさんに案内された部屋でお茶を飲んでいた。お白湯ではなくお茶である。
イチロー「美味しい!」
思わず叫んでしまった。
フライス「喜んで貰えて光栄です。この国であまりお白湯以外を飲む文化がないようで‥。イチロー様のように喜ばれるのは初めてです。」ニッコリ笑う。
イヤイヤ、俺はたまたま喜んだけど他の人なら嫌がったってことだよね?
ちなみにフライスさんに頼んで茶葉を定期的に売ってもらえるようにしてもらった。
他にも調味料など珍しいものが手に入っら売ってもらえることにした。
フライス「それでは本題に入りますね。イチロー様はどのような奴隷が必要ですか?」
さて、ここからが正念場だね。
イチロー「少し大きめの家を手に入れたので、こちらの執事の下につけるメイドをと考えています。ちなみに女性限定でお願いします。」
フライス「わかりました。獣人やドワーフなどに偏見はありますか?」
イチロー「特にはありませんが、協調性のないとか、他者を見下すような者は入りません。」
フライス「なるほど‥。そちらのステア様の足が治っているようですが、イチロー様の力でしょうか?」
急に爆弾ぶっ込んできた。
俺たちの能力がバレてる‥。
まぁ、でもあんな治療は命をかけないと出来ないのでもう無理だよ。
『出来る。(緋莉)』
ちょっとこの人、独り言に入って来てますよ!
『私とぬらりひょんが力を貸したら可能』
イチロー「私の力ではないのですが、知り合いに薬学に詳しいものがいますので、たまたまステアさんの足の怪我に効果があったようです。」
とりあえず笑ってごまかす。
フライス「大丈夫ですよ、他言するつもりはありません。ただ大っぴらに医療行為をするといろいろな組織に目をつけられる可能性があるので‥。」
セーフ。大っぴらにはやってません。
今後はもっと気をつけないと。
フライス「それでは5人ずつ連れて来ますので、気になった時はあとでおっしゃって下さい。」
それから50人ほど見たが、なかなか欲しいと思える人がいない。
今回は見送ったがいいかもな。
イチロー「今の人達で最後ですかね。もう他に見れる人はいませんか?」
フライス「あとは教育が終わってない者と売り物にならない者しか残っていません‥」
売り物にならない人を何で所有してるんだろう‥。まさか人体実験とかしているわけじゃないよな。
フライス「イチロー様が思っているような事はしてませんよ。」
げっ!顔に出てたかな‥。
イチロー「すみません、勝手に変な想像してしまって‥」
フライス「そう思われても仕方がないですよ。処分されそうな奴隷を引き取るなんて、正気の沙汰ではないですからね‥。父の教えなんですよ。たとえ奴隷商とはいえ、困った人がいれば助けろと。」
イチロー「立派な考えだと思います。私も同じように教育を受けて来ましたので、気持ちはわかります。」
フライス「他の人はみな馬鹿にするんですがね。イチロー様は珍しい方です」
フライスさんが初めて笑ってくれたような気がする。
何だろうか、俺の感が何かを訴えてきている。
イチロー「もし宜しければ、その方々を見せて頂けないでしょうか?」
フライス「見せる分は構いませんが、目がなかったり体の一部がなかったりして、酷い者ばかりですよ。腐ったりして臭いも凄いです。」
イチロー「ご忠告ありがとうございます。大丈夫ですので、宜しくお願いします。」
俺は頭を下げる。
フライス「わかりました。その者達は移動出来ないので、私の後をついて来て下さい。」
フライスさんが席を立ったので、みんなで後をついていくのであった。
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