【連載版】前世の超絶ブラコン妹に迫られる!?・・・血が繋がってないから問題ない!?・・・いや、問題しかないんですけどぉ!!

黄色いキツネ

第1話 俺は誰?あなたは誰?



 短編からの連載版

 短編を読んで下さった方へ

 連載版では設定や名前を一部変更していますのでご了承ください。

 2話までが短編の内容となっております。




 ――――――――――――――――




 俺には一つ下の妹がいる。


 だが・・・


 俺の妹はやばい。

 もう、異常と言ってもいいくらいだろう。


 何がやばいって?


 それはだな・・・


 四六時中くっつこうとする・・・

 食事は毎回食べさせようとしてくる・・・

 俺が風呂に入れば、当たり前の様に乱入してくる・・・


 ・・・タオル?水着?


 はん!

 そんなもの身に着けちゃいませんよ・・・


 マッパですよマッパ・・・

 生まれたままの姿・・・より断然ボリューミーですよ・・・


 むしろ襲ってくれとでも言わんばかりに見せつけてくる・・・

 しかも厄介なことに、これまたスタイルがいいのだ・・・


 もちろん妹に欲情したりはしないので、変な気持ちになる事はないよ?

 ・・・本当だよ?


 そして終いには、毎日俺の布団に潜りこんでくる始末。


 それほど・・・

 俺の事が好きすぎるのだ!


 うぬ、俺も大好きだ!!

 ・・・とはいえ、俺の気持ちは家族愛である。


 というのも、彼女は義妹とかそういうわけではない。

 正真正銘、血のつながった実の妹なのだ。


 ただ、妹は俺のシスコンなど比にならないほどの・・・

 もう異常なまでの超絶ブラコンだ・・・


 いや、だったというべきだろう。


 なぜなら・・・


 そんな妹はもうこの世にいない・・・


 いや、正確に言うなら・・・


 俺を含めて家族全員で旅立ってしまっている。


 どういう事かというと・・・


 あれは、俺が高校卒業と同時くらいに免許を取った時だ。

 その記念として、家族で遠出することになった。


 道中で峠を通ったのだが、その峠のカーブの途中で・・・


 バカなドリフト野郎と遭遇してしまったのだ!

 対向車線をはみ出してドリフトをかましやがったクソ野郎に車をぶつけられ、そのドリフト野郎と一緒に崖下へダイブですよ・・・


 そりゃ、助かりませんわ・・・


 まあ、救いだったのは全員が一緒にお亡くなりになった事。

 ・・・だって、一人だけ生き残されたりしたら辛すぎるもんな。


 とまあ、過去の事なので暗い話はそこまでにしよう。


 ・・・え?

 じゃあ、お前は誰でどこで何を話してんだって?


 ・・・

 いやあ、まあそのぉ・・・


 俺は俺で間違いないんだけど・・・


 名前が違うんだよねぇ・・・


 とりあえず今の名前を名乗る事にしよう。

 俺は穂高蒼太ほだかそうた

 現在は高校1年生。


 でだ・・・

 何が言いたいのかというと・・・


 俺は死んだあとに気が付いたら・・・


 生まれ変わっていたみたいなの。

 しかも、前世の記憶を完全に残した状態で。


 生まれた瞬間から記憶があったから、びっくりだよね。


 それに、記憶はあるのに喋れないし体は動かないし・・・

 もどかしかったわぁ・・・


 いやあ、でもね実際の所・・・


 赤ん坊の時は最高でした!

 いや、幼稚園くらいまでは最高でした!

 ありがとうございます!!(ペコリッ)


 え?何がって?

 そりゃあ・・・


 母親以外の色んな人にもねだったおっ・・・

 あ、いやいや、じゃなくて・・・


 温泉での秘密の花園に入り放題・・・じゃなくて!!


 純真無垢なフリして色々やりたい放・・・


 ・・・・・


 なんでもないよ?てへっ!


 とまあ、そんなどうでもいい話は置いといて。

 なんで俺が前世の妹の話をしたのかというと・・・


 俺は今、俺の部屋、俺のベッド・・・


「お兄ちゃ~ん!ムフフ」


 なぜか、抱きつかれている。


 ちなみに言っておくが・・・


 吾輩は一人っ子である。

 今世で妹はいないのである。


 じゃあ誰なのか?

 それはだな・・・


 この子は今世の俺の幼馴染である・・・


 ただし・・・


 俺と同じように前世の記憶を持った・・・


 前世の妹なのであった・・・


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る