第2巻 ──荒野西行──
日記
◯日記、月11の新月
月の満ち欠け11回目の29日(11月29日ってことらしい)に、山の中の小屋から出発して、3日くらい経った。
今朝の朝食は薄いパンと干し肉、それから野草。メシは悪くないけど、味がない。塩とかあれば良いんだけど誰も持ってないし。仕方ないっちゃ仕方ない。
食べた後は、また移動。
しんどい。もう馬で移動するのはイヤだ。
尻は痛いし、揺れまくって落ち着かないし、内臓とか色々ヤバいことになってる。聞くところによると、このペースで行ってたらメギイトまで3ヶ月はかかるらしい。途中で絶対に死んでる……。
今は主な街道を避けつつ、何もない田舎道(?)を通って、メギイトに向けてキャラバンが出ている町に向かっている、らしい。場所がよくわからない。
日差しは強いのに、驚くほど寒いし風が強い。山地の上だったらまだ雪とか降っていて湿気とかあったけど、平地は本当に乾燥していて、砂地に湧く水を探すのも一苦労。
雪なんかが降った場所があったら、そこへ行って革の水筒に雪を詰め込む。それから服の懐に入れて溶かす。
大気汚染のない天然100%の水の味は違うね。ただし革の匂いが移っていて少し香るけど。
イグナティオによると、もうじきまた山地に入るらしい。この国は山に囲まれてるのか?
風呂入りたい。
あと寒い。
本日は以上。
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