思い込みがある所
一色 サラ
とある夜
深夜の2時。まったく眠くない。少し窓を開けて、蒸し暑い中、ベッドで寝がえりをしながら、眠りに入るのを待っている。クーラーのない部屋。扇風機よりも外の風のほうが快適に感じていた。スマホから、アプリの水のせせらぎの音を流してりうので、眠りを誘うように流れてくる。
このまま、平凡な毎日を過ごしていくのだろうか。色んなことが、頭に過っていく。目が冴えてきて、まったく寝付けないでいてしまう。
いつまで、会社にいれるのだろうか。クビになったらどうしよう。と、更に余計な考えが脳内に流れてきて、眠気よりも頭が冴えていく。
部屋の外から、車が走り去る音がした。こんな深夜に誰が車を運転しているのだろうか。トラックで輸送の車かもしれない。どこかに荷物を運んでいるのだろうか。コンビニだったら、色んな店舗に巡っていくのだろうか。こんな深夜に働くと体に悪そうだなと思いながらも、他人事であって、こんな深夜に自ら働く気は決して起きなかった。
そういえば、元彼も運送会社で働いていたっけ。それも深夜の時間帯に働いていた。なんで夜に働くのって聞いたら、昼寝たいからと言われたことを思い出した。その時、自分と会う時間を長くすることよりも、寝ることを優先したいのだなと思って、気持ちが冷めはじめてることになった。そして、会えない時間が増えてきて、何となく別話をしたことを思い出してしまった。
元カレが今何をしているのかもしらない。別れると相手とは全く連絡を取ることはなかった。何してるんだろう。まだ運送会社で働いているのかもしれない。
スマホが光って、『寝た?』と友人の満里奈からメッセージが届く。なんでこんなこと聞いてくるのだろう。素直に『まだ、寝てない』と送ると、ラリーが続きそうだ。そんなに、誰かとメッセージを送り合いたい気分でもない。それでも、返信を送るべきなのだろうかと悩んでしまう。
アラームが鳴り、目を覚ました。いつ眠ってしまったのだろうか。結局は、満里奈に返信せずに寝てしまった。一応、『今起きた』と朝の6時に返信を返した。
『あっそ』と素っ気ない言葉が返ってくる。日常が始まりそうだ。
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