明日原さんのガチ恋文学

折原ひつじ

はじめに 俺の好きな人について

 ああ、来てくれたのか。突然呼び出して悪かった。けど、居ても立っても居られなくなって……


 ほら、お詫びになんでも奢ってやるよ。だから話を聞いてくれないか?


 俺、好きな人が出来たんだ。


 ……またか、って?


 今度は本気だよ。本気で好きになったんだ。彼女みたいな素晴らしい人初めて見たんだ。


 まあ、姿形は知らないんだけどさ。


 ああ、そう。俺が好きになったのは「文学の中の人」だ。けどそれが何だっていうんだ?


 好きになるのに性別も年齢も、実在性だって関係ないだろ?


 お前くらいしか聞いてくれる人いないんだ、頼むよ。


 俺の好きな人の話、聞いてくれないのか?


 ……うん、ありがとう。


 じゃあ、聞いてくれ。


 俺が好きになった人の名前は……


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