第128話 最後の仲間?

「最後の1人......それは誰ですか?」

 私はユウに尋ねた。

「ここから北東方向に5010キロの街......そこに彼はいる」

 ......北東に5010キロ......あれ? そこってさっきまでいたところのそばじゃない?

「早速だけど向かおうか。結構遠い場所だから早めに移動した方がいいからね」

 ユウは先陣を切って歩きだした。

「それなら私が魔法で転送するけど」

「いやいや......さすがにそんなこと......」

 ユウは呆れたような表情にで私を見ていた。

「......説明するより証明した方が早いか......アヤナ、カーミラ、王様、私に捕まって!」

 3人が私に捕まったことを確認して、イナーカとユウの腕を掴んだ。

「探索魔法......オールテレポート!」

 私は北東方向に5010キロあたりの位置にある人が集まっているところを探索してその場所に移動した。

「え? 本当に移動した......!? すごい......こんなこともできるなんて......」

 ユウはさびれた村の前で唖然としていた。ちなみに私もこの村は見覚えがある......私がこの世界で初めて来た場所だったからだ。

「お! 久しぶりだべな。この街にもお兄さんの活躍の噂が聞こえてきてるべ」

 豚の世話をしているおじさんに話しかけられた。

「お久しぶりです、おじさん」

 私はおじさんに挨拶を返した。

 それにしてもこの村にそんな強い冒険者なんていただろうか? ユウがわざわざ最後に1人誘ったのだから相当腕の立つ人なのだろうけど。

「それじゃあ、まずはギルドに向かおうか」

 ユウはギルドのほうを指差しながら歩きだしたので私たちは着いて行った。ギルドの中に入ると見知った顔があった。

「マコトさん......? マコトさんじゃないですか!?」

 ヤクモが私を見て駆け寄ってきた。

「久しぶりだね、ヤクモ。元気だった?」

「はい! マコトさんもお変わりないようで」

 ......まさか!? このヤクモが最後の1人なのか!?

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