第129話 パーティーメンバーがそろった

「ユウ......もしかして誘いたい人って......ヤクモなの?」

「え? 違うけど?」

 どうやら違ったようだ。というかヤクモなわけないか......一緒に冒険してたけどそんなに強くなかったし。

「マコトさん、俺のこと呼びましたか?」

 ......別にヤクモのことは呼んでないけど。とりあえずこれまでのことは話した方がいいかな。

「ええっと、何から説明したらいいかな......」

「もしかしてついに魔王と戦うから俺のことを仲間に誘いに来たんですか?」

 って何で魔王を倒しにいく分ったんだよ!! いや、それはさておき仲間に誘い来たのは否定しないと。

「いや、違......」

「分りました! 力を貸しますよ!」

 まあ別にいいけど。でも、もはや魔王を倒すためのパーティーじゃないよこれ......とりあえず最後の1人についてユウに聞いてみようか。

「ユウ、結局誘いたい人って誰なの?」

「それは......」

 ユウは奥のほうに座っている男の前まで歩いて立ち止まった。

「ガリア......もう一度私と一緒に戦ってくれない?」

 ユウはその男に手を差し伸べた。

「その人って......コックの人!?」

 そう。ユウが誘った相手はあのコックの人だった。やっぱり冒険者だったのだろうか?

「ユウ......何年振りだろうな。ついにこの時が来てしまったということか。それにそっちの兄ちゃん......」

 ガリアは私の顔を見たので、つられてその場の人たちも全員に私のほうを見た。

「俺の予想通り兄ちゃんが魔王を倒す英雄になっちまう時が来たってことか。いいぜ......俺も手伝わさせてもらうぜ」

 そういえばそんなことも言ってた気がするな......この人。

 とりあえずこれでやっと魔王を倒しに行くことになりそうだ。

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