第126話 私が魔王を倒すのを辞めた未来を想像してみる
想像してみよう......私が魔王と戦うのを辞めたら。
――――1ヶ月後
魔王討伐は勇者一行がすることになったので私はカーミラの住んでいる街に戻った。
ついでに言うと王様も『キング』としてホームレスたちの王様として再び尊敬される存在となった。
そんなことより私は何をしているかって?
「マコトさん、また近くの森でキングオーガが暴れているらしいんだ。手を貸してくれないか?」
ギルドで新聞を読んでいる私に冒険者仲間が声をかけてきた。
「しょうがないな......カーミラ! 一緒に行く?」
「はい! 僕も手伝います」
そう。カーミラと冒険者をやっているのだ。自分の力量にあったモンスターの討伐をしてそれなりにいい生活ができていると思う。魔王を倒すほどの実力はなくても、ギルド内ではトップクラスの実力もあるから仕事は順調なのだ。
私たちは今日の依頼も難なくこなした。
そして今住んでいる家はカーミラの家のそばに新しく建ててそこで暮らしている。
「お兄ちゃん、おかえり!」
「ちょ!! 私が一番に出迎えするのよ! 邪魔しないで!」
チカちゃんとアヤナが出迎えてくれる。
魔王と戦わないことをローズに伝えると落ち着いた様子で承諾してくれて、その後チカちゃんと一緒に暮らすことになったのだ。
アヤナはまあ特に理由もなく勝手に押しかけて一緒に住んでいる。
魔王は倒せなかったけど私は幸せな生活を送れている......まあもともと顔見るだけのつもりだったから倒すつもりは初めからなかったけど!
「夕刊だよ」
新聞配達の人が夕刊を持ってきてくれたようだ。
「ありがとう」
私はそれを受取っていつものように記事を読む。
ある程度この世界のことにも詳しくなったけどこの世界で暮らしていくなら情報収集は必須だからね。
いろいろな記事を目で追っていくと気になる記事があった。
「魔王軍幹部に......勇者一行敗れ......全滅」
私は新聞を丸めてゴミ箱に捨てた。
「ユウが負けた......」
私はしばらく床に座り込んだまま動けなかった。
終わり......って終われるか!!
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