第277話 キャラ作りしないで
「メイド長! そう言うことを聞いているんじゃありません! そこはイケメンしかいない素晴らしい国かどうかを聞いているんですよ!」
バンと机をサーシャが叩いた。もちろんナナリーはそれを察してまたもティーカップとお菓子を入れた皿を持ち上げている。
うん。サーシャが知りたいのはそっちだよね?
「少なくともセイラが居ますので男性だけが居る国ではありません」
「あっ!?」
サーシャは何かに気づいたように口に手を当てた後、すごく落ち込んだ様子を見せてどこかに歩き去ってしまった。
......っていうか何しに来たの!? 本当にホモバカリに反応しただけだったのかよ!!
「全く......変なメイドが居たものね」
セイラは呆れたような表情で首を横に振っていた。
否定はしないけどセイラも変なメイドあることを自覚してほしいんだけど?
「それよりも一番問題のはあなた!」
セイラはビシっとナナリーを指差す。
「えぇ!! 私ですか!?」
ナナリーは突然話しかけられてびっくりした様子を見せる。
「そうよ! 何あなた? 普通すぎ! 特徴がないのよ!」
セイラは個性を気にしていたもんね。ナナリーの通常時は普通に仕事ができるメイド......一見すれば個性がないモブメイドに見えなくもない。
「ブタのくせに私に臭い息をかけないでもらえるかしら?」
ナナリーはどこから取り出したのか鞭をセイラの足下に向けて放つ。
「ちょっ......何すんのよ! 危ないじゃない!! 取って付けたようにドSキャラ演じないでくれる?」
間一髪セイラはかわしたようだ。どうやらこの子は運動神経はいいようだ。
「いや、実はナナリーはドSキャラが素でいつも様子のほうが演じてるんだよ」
「姫様! 逆ですから! こっちが素ですから!」
ナナリーはすかさず僕の言葉否定する。ついでにいつの間にかドSモードも解除されいた。
どうやらまだまだこの性格を治すのには時間がかかりそうだね。
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