第233話 1文字変えてはいけません!
「ここがマスカット王子のお城か」
僕はメイド長の案内してもらいマスカット王子の城の前にまで来たのだ。
それにしても小さい......大きさだけならクリスさんやミランダさんの家のほうが大きいんじゃないかな? しかもボロいし......コロネのお見合いってもしかしてカレンさんのただの嫌がらせじゃないだろうか?
「貴様ら! そこで何して......ま、まさかあなた様はアイネ姫様!? し、失礼しました!!」
門の前に居た兵士が近づいてきたかと思うと、僕の様子を見るなり敬礼をしていた。
「へぇ僕のこと知っているんだ」
「もちろんですよ。何て言ったって小生はここの兵士! 他の国の王族の方々の顔と名前くらい知っていて当然! 先ほどもコロ『ナ』様という姫君がいらっしゃいました」
違うよ? コロ『ナ』じゃなくてコロ『ネ』だよ? コロネを今地球で流行っているウィルスの名前にしないでもらえるかな? しつこいところはどっちも似ているけど!
「とりあえず中に入らせてもらうよ」
僕はそう言って城の中へ進んでいった。
「どうぞどうぞ! アイネ姫様ならいつでも歓迎しますよ!」
いつでもって......門番としてそれはどうなんだろうか。
そんなことを考えながら城の中へ入ると看板が立ててあった。
┌――――――――――――――┐
│ アイネ姫様ご一行こちらへ │
│ ↑ │
└――――――――――――――┘
「案内のメイドすらいないのかよ!」
「姫様、ご安心ください。案内が必要なほどの広さのお城ではありませんから」
メイド長......そういう問題なの?
ほんの20歩くらい歩いたところで部屋の前にまた看板が立ててあった。
┌――――――――――――――┐
│ アイネ姫様ご一行こちらへ │
│ → │
└――――――――――――――┘
......うん。これなら道案内いらなさそう。
「失礼します......」
僕は部屋のドアをノックして中に入った。
「「ようこそ!! アイネ姫様!!」」
王冠を頭にのせた男性、ティアラを頭にのせた女性、小太りな少年が手を前に出して入口で待っていた。しかも部屋の奥には『アイネ姫様! ようこそ!』と垂れ幕がかかっていた。
......え? コロネはどこかって? 部屋の隅の椅子に座っているようだ。というか......これコロネのお見合いじゃなかったっけ?
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