第95話 なつかしき日本食
「この料理って日本食だよね? どこでこの料理のこと知ったの?」
私はニーナに聞いてみることにした。
「この料理のことですか? わたしのひいおじい様の郷土料理って聞いてますけど、すみません。『ニホン』は聞いたことないですね」
「じゃあさ、そのひいおじい様に会ってみたいんだけどいいかな?」
ニーナは目を丸くしてして驚いた後に何かを閃いたように手を叩いた。
「アイネ様、そんな言い訳しなくてもいいですよ......正直にジーク王子に会いたいと。そうおっしゃればいいのですよ」
「全然全くこれっぽっちもそんなこと考えていないけれど」
今日はなぜか当家のメイド長がいないのでラッキーなことに否定しても邪魔する人がいない!
「またまた、いいですよ否定しなくても。分ってますから!」
ニーナはにこやかに笑っていた。どうやら僕の言葉を信じていないようだ。まあいいか......とりあえず今はこの久しぶりの日本食を楽しませてもらおうか!
「いただきます」
この後僕は久しぶりの日本食を堪能させてもらった。僕が食べ終わった後ニーナは食器の片付けを始めた。僕は食後のティータイムを楽しんでいた時にふと気になったことがあったので聞いてみることにした。
「アスカ。ところでメイド長は今日は何で居ないの?」
「メイド長なら今は頃は姫様の妹様の相手をしていま......もごっ」
カタリナがアスカの口を塞いだ。
「アスカ! それは秘密です!」
何だって......妹! そう言えば前なんだか隠してる感じだったな。
「ほぅ......今ここに来ているの?」
「えっと......」
僕はアスカに顔を近づけて質問する。するとアスカは目線を逸らすとそのままカタリナのほうに助けを求めるように目線をやった。するとカタリナやれやれと言わんばかりの顔をして代わりに答えた。
「いえ......いませんよ」
僕はカタリナに顔を近づけてもう一度聞いてみた。
「今ここに来ているの?」
「居ないのは本当なんです!! お願いです! メイド長に怒られるのでできれば詮索しないで貰えませんか?」
カタリナは少し目に涙をうかべて僕にお願いした。
くっ......そんな風に言われたら聞けないじゃないか。アスカに問い正せば情報漏らしそうだけど今度こそクビになりそうだから可哀そうだし......諦めるしかないか。
「分ったよ......」
今回は妹の情報は諦めることにした。
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