第91話 お見合い相手来ないんですけど
昼食後、僕は控室でゴロゴロしていた。
何でゴロゴロしているかって?
「何でお見合い相手来ないんだよ!」
そう。お見合いの開始予定時間は今から約2時間前。お相手は一行に現れる気配がない。
女をこんなに待たせたということでこれは婚約者候補の解除の正当な理由になるのではないだろうか? いや待て......そうだ! 逆にこの件を利用すればいいじゃないか!
「姫様、何か悪い顔してませんか......? はっ......まさか私を解雇するなんて言わないですよね! つい数時間前に私の料理の腕を評価してくれたじゃないですかぁ!!」
アスカが僕の服を掴んで引っ張っていた。
「いや、別にそんなつもりないから安心して。今更アスカが仕事できないのを理由に解雇とかしないって」
「はぁ~よかったです。私仕事できなくても大丈夫なんですね!」
「そうそ......いや、仕事はできるようになってもらえるかな?」
「冗談ですよ! 私だって日々成長しているんですよ!」
「へぇ~どの辺が?」
「洗濯のやり方を覚えました! なんと5回に1回はボロボロにしないで洗濯できるんですよ!」
胸を張って自信満々に宣言した。
いや、せめて5回に4回はボロボロにしないで洗濯できるようになろうよ......
「それにしても遅いですね、ジーク殿下。何かあったのでしょうか?」
アスカは頬に手を当てて心配そうな顔をしていた。
「いえ、ご安心ください。アイネ様」
あれどこからか声が......そう言えばさっきからスカートが引っ張られてるような......小さな子供?
僕は自分の足下方をみるとなんとチャーリーよりも小さな子供がそこに立っていたのだ。
「アイネ様、お初にお目にかかります。うちはジーク殿下のお付きのメイドのニーナと申します。以後お見知り置きください」
「わぁ~可愛い子ですね! 姫様!」
アスカはニーナを愛でるようによしよしと頭をなでていた。
このちっちゃいのがメイド!? まさかジーク王子はロリコンではないだろうね?
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