第10話 謝金奴隷 2

 ミコ様が階段を降りてくる。


 その後ろに、アリスの影はないが…………、ミュー様が前から後ろ向きで階段を降りながら撮影している。 あ、予想通り階段を踏み外しミュー様が落ちてくる。



 アリスは不思議なひ孫だ、いつからか不明だが、いつの間にか私の後ろをいつも付いて歩いていた。 リチャードの娘で我が屋敷で共に生活しているのだから不思議では無いのだが…………、


公式な一族の集まり、会議でも私の後ろに控え そう まるで私の一番のお気に入りのような感じを出していた いや 魔力も高い量を多く持っていたので、私も期待のひ孫では有るのだが、私の子供達(アリスの取っては、祖父祖母世代)一族の中枢に君臨する者達と私の影から、権力闘争しているような子だった。 


本当に空気の読める子だった、私の意思を読み取り 発言する 皆は私の顔を見る 私は私の意思に沿った発言の為 頷く。 これを繰り返しアリスは一族から私の代弁者のような位置を獲得した、すでにリチャードを含む親世代は、アリスの言に異を唱えなくなっていた。 


今、思えば アリスは一番力の持つ者の意をくむ者なのかもしれない。 だから、ミコ様に寝返って必要無くなった私に刃を向けたのかもしれない……なら、わたしは、ミコ様に必要とされてない?   …………どうしよう。


 ミュー様が階段から落ちて泣いている、ミコ様がヨシヨシと頭を撫で引き起こしている。


「ミコ あんたが、いない間また視聴者が居なくなった~~~ 誰も私の歌と踊り見てくれないの~~~ わぁーーーん!! バカ、バカ、バカ!!」


ミュー様がミコ様に抱き着いて、甘えている? 文句言ってるだけかな。


「さあ、服屋行こうか」

ミコ様が苦笑交じりの顔で言われた。



 服屋にやって来た、煌びやかだ そして 変態だ


露出度の高い服(大事な所を隠していない) か 何かの仮装の衣装のような服しかない…………


「これなんか、いいじゃないかな 狼男みたいになれるよ」


「それは、服では無いのでは?」

どう見ても、狼の毛皮をかぶるだけの服 …………この世界のセンスが分からない


「まあ、基本誰も服着ないし着るとしてもお祭りの時の衣装くらいだからな~~」


「ミコ様 普通の服お持ちですよね」

ルシファー様バージョンの時、普通の服着てましたよね。


「ああ、あれはオーダーメード 凄く高いよ」


…………


もう、いいか服は。 それより、この服屋の横の書店?にあった書物が欲しい。


服屋に入る前に、気になったのでミコ様にちょと時間を貰って書店を覗いた。


あるわ あるわ 魔術所 魔導書 宝の山のように素晴らしい書籍が山積みされたいた。


文字は、エノク語で書かれていて、なんとか読めそうだった。


そして、取り合えず欲しいのが 「魔法陣入門 初心者でも書ける!!」 が欲しい!!


少し、立ち読みしたが 元の世界では意味不明 解析不可能な記号や文字を意味と効果を細かく記載されていた~~~!!


 マジ 宝!!


「ミコ様、服は諦めますので、隣で書籍を一冊買っていただきたいのですが?」

この世界の通貨が無い私はミコ様に頼るしかない。


「ん、本でいいの? まあ それでもいいけど」


お買い上げ有難うございます。 感謝いたします。



 私は、ミコ様の部屋に戻ると 一時を惜しんでページを開いた。


ミコ様は優雅にお茶を楽しいんでおられ、ラオ様はトレーニング ミュー様はあいも変わらずミコ様の撮影、静かな時間だ。


「ねえ、ジョン 書籍の代金は君の借金にしとくから、早く返してね」


「え」

ページをめくる手が止まる


「借金ですか? …………それは、元の世界の通貨でお支払いできませんか?」


「う~~~ん」

難しい顔するミコ様


「では、ハンバーガーの代金では?」

あの、ハンバーガーは戦闘部隊にハリヤーも出したし、交換条件としては良いのでは?


「ん、代金は払ったよ」


「はい?」


「アリスに渡したよ」


「はい?」


「ミスリルとオリハルコンの塊と、魔石 渡したよ」


「はい?」


「しかし、アリス力持ちだね 両腕にミスリルとオリハルコンの塊抱えてポケットに入るだけ魔石入れて その上でジョンの元の身体引っ張って帰ったよ」


「そう そうですか…………」

……嫌な汗が止まらない。


「アリスはいい子だね~ ハンバーガーの代金では多すぎますので、なにか欲しい物あれば手に入れておきますって言ってくれてね いくつかお願いしちゃたよ!!」


「はい、アリスはいい子です」


「で、その書籍代は借金になったと…………明日から仕事頑張ってね」


 え、私が働くんですか?











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