第13話 海での思い出


北川原先生

本当にうちの加奈と

婚約してくれるのですか


ああ

ただ、政治資金が少し足りないんだ

なにせ政治はお金がかかるからな


ああ、それは心配いりません

うちはお金は有り余っていますから


娘さんの加奈さんは美しい

あのような綺麗な女性を手にしていいのかな


いや、北川原先生にはもったいないくらいです

どうか、よろしくお願いします


ああ、こちらこそ


そういえば、ゴキブリみたいな男がいると聞いたが

始末してくれるのか


先生、もちろんです


じゃあ、頼むよ


はい



加奈さん海に行ってみない


はい、行きたいですけど

お金を節約しないといけないですね


大丈夫だよ、お金はいらないよ

水着くらいだよ


行きたいです

じゃあ、私は水着を買ってきますね


楽しみにしてるね


買ってきました

私は泳げないので

浮き輪も買いました


そうか

加奈さんは可愛いね

似合っているよ

じゃあ、海に入ってみようか


わあ冷たいです


キャ


やめてください

冷たいです


やっぱり浮き輪で泳いでいるんだね

浮き輪を押してあげるよ


わあ、速いです


じゃあ、二人

浮き輪に入れるかな

小さいよね

そら

ああ、やっぱりきついな


私は太ったのかな


いや、太ったのは僕の方だよ


クルリ、ドボン


ひっくり返ったです

鼻に水が入っていたいです


ハハハハ


じゃあ、あそこの岩に移動しよう


恐いです


大丈夫だよ浮き輪があるから


高い岩ですね


上ってみて


はい


加奈さん、あそこに建物があるよね

ほら海の向こう側


あっちですね


そうだよ

ほら


 


キャ


 


ドボン



 

だましたのですね

怖かったじゃないですか


2メートルくらいあると思うよ


高いです


じゃあ僕が加奈さんの後ろに


駄目です


ほら


ドボン


キャ


怖いです


加奈さん

もう一回やろうか


駄目です、怖いです


大丈夫


だって鼻の中に

また海水が入って痛いです


ハハハハ


今度は僕が飛ぶからね


はい


ほら


キャ


ドボン


できただろう


はい




優一さんふたりで飛び込みませんか


 


さっき飛び込んだじゃないか

今度の楽しみにしよう



ここの岩場の上に高い丘が

あるよね



もしかして・・・・

駄目ですよ

10メートル以上ありますよ

怖いです


冗談だよ

飛び込まないよ

飛び込んだら死んでしまうよ



怖いです

でも、優一さんと一緒だったら

いっしょに飛び込みましょう

大丈夫ですよ



かんべんしてくれ


クスクスクス




いつか飛びましょう

約束ですよ




いいよ

ハハハハ


優一さん恐がり屋さんなんですね


そんなことないよ


クスクスクス


そろそろ帰ろうか


楽しかったです


このような幸せがずっと続きますように


うん、大丈夫だよ

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