第11話 沖縄への逃亡

加奈さん


優一さん

どこに行っていたのですか

心配しました


実は暴力団らしきものから

地下室に監禁されたんだ

そこを逃げ出してきたんだよ


怪我はありませんでしたか


軽い傷くらいだよ


帰って傷薬でもぬりましょう


それより

僕は殺される

追いかけられているから

逃げないといけない


それなら私も連れて行ってください


死ぬかもしれないんだぞ

それは駄目だ


いえ、優一さんのそばを離れるくらいなら死にます


それは、駄目だよ


優一さんと結婚したいです

一緒になりたいです

それなりの覚悟はあります

連れて行っていください


わかった、じゃあ、ふたりで逃げよう

一緒になりたいです

それなりの覚悟はあります

連れて行っていください


わかった

じゃあ、ふたりで逃げよう


ここで待っていてください

着替えとお金を持ってきます


じゃあ、僕もそうするよ

急がなきゃ


なんだと

優一を逃がしたと

佐藤どう責任をとるんだ

申し訳ありませんじゃすまない

お前のところに高額の援助金を払っているだろ

あれはなんのためだ

また、探し出せ


お父様、まさか


そういうことだ

あの男に加奈を渡してたまるか


お父様ひどい

私は優一さんと一緒に逃げます


なんだと


それでは、お父様


待て


いやです


小枝子なんとか言え


好きなところへ行けばいいんじゃないの


そういう無責任なことを言うな


お母様さようなら


はいはい


わああ



加奈さん、僕は沖縄に逃げよ

出来るだけ遠くに逃げる


私も一緒に連れて行ってください


駄目だよ

危険だから


大丈夫です

優一さんのそばにいたいだす


それなりの覚悟はあるのか


もちろんです


わかった


飛行機のチケットは購入したよ

本当に大丈夫かな


はい

海が奇麗ですね


そんなことを言っている場合じゃないよ

まず、住む所を探さないとな


そうですね

あそこに不動産屋さんがありますよ


そうだね

でも

沖縄の離れに住まないと

またあいつらがくるぞ

タクシーで遠方の不動産屋にいかないとな


はい


あ、優一さん

少ししかお金が残ってきていませんでした


僕もだ

どうするか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る