孤独なはずの高校生店主様 〜学年1平凡な男、学年1の天使に堕とされる!?〜

マスター

第0話〜天使と店主の出会い〜

「はい!海鮮定食一丁!」


「ありがとう、いただきます」


俺は明星怜侑あけほしれいゆう。学力も運動能力も何もかもが普通の平凡な高校生さ!今はアルバイト…という訳ではなく、俺の家は飲食店を営んでいる。


話せば長くなるので簡単に言うと、俺は10年前から祖母の元で暮らしている。2年前に祖母が亡くなり、店を継いで経営している。高校生なので、実は単位とかギリギリだったりするのだが、そこはそれ、何とかなっている分はいいのだ。


さて、本日ももうそろそろ閉店だ。店仕舞いの準備でもしようと外へ出ると…


「あ、あの…」

ん?お客様かな?仕方ない、多少の残業は覚悟するか…


「どうかなさいましたか?」


「ええと、もう閉まっちゃいますか?お食事しに来たんですけど…」


「どうぞ、お入りください。外は寒かったでしょう?」

客は神様ではない。しかし、できることはするべきだ。というのは、祖母の教えだ。それでなくとも、寒い中わざわざ来てくれた人を追い返すなど鬼の所業だ。いくら俺の性格が悪かろうとそれは出来ない。


「ありがとうございます。えっと、私の事覚えてますか?」


「ん?んー…すまない、記憶にない…」


「思い出して下さい!昼間、助けてもらった女の子ですう!お礼も兼ねて来たんです!」


昼間?昼間…あー、あの時の女の子か!


「そうです!やっと思い出してくれましたね!あの時…」

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