閑話―結婚後の汲広の学校風景
いつものように支度の終わったカバンに母の手作り弁当を詰め込み、学校へ向かう。
登校途中、周りの目が変な気がする。ジロジロ見られているような、そして、ヒソヒソと何か話しているのが目立つ。何か気になるが、知ってしまうのが怖いような… そんなことを考えていると、
「おっ早ようっ。新婚さん。今日も元気してる?」
クラスメートの
「お早う。色々とゴタゴタがあって、もぉクタクタだよぉ。坂本。今日も元気でいいよなぁ。あと、式に出てくれてありがとな」
「いいよいいよ。でも、朝はシャキッと元気よく!くたびれてると幸運も逃げちゃうよ!」
じゃぁ!と言って、次美はいつものように
学校についてもジロジロ、ヒソヒソが続いている。気のせいか、さっきよりひどくなってやしないか?靴を履き替え、教室に向かう。何だか居心地が悪い。教室に近づくと、
「結婚おめでとう!」
「よ!新婚さん!」
「もう大人の階段を登ったんだね」
祝福の言葉にちょっと嬉しくなったが、大人の階段は
教室に入ると、またもや祝福の言葉を
「よ!
「ありがとな。式にも出てくれて」
「なぁに。いいってことよ」
あと、式に出てくれたもう一人、
「俺も、彼女がいなかったらへこんでいただろうよ」
安堂がそう言った。
スキカの世界的情報操作で、アントネラと出会ったのは、安堂が彼女と付き合い出す前であり、安堂が彼女と付き合いだしたのと、
「あんな美人でスタイルがいい娘と結婚
「それじゃ普通はモテないだろ」
そうこう話していると、チャイムが鳴った。しんと静まり返って皆、席に着く。
「おっ早よー!よしよし今日もみんな行儀良いねぇ。でも、誰かさんのせいで、何だか浮ついてない?朝のホームルーム始めるわよ♪」
「まずは
「あ、はい!」
何故か前へ呼ばれる
「結婚おめでとう」
そう言うのであった。
「ありがとうございます」
そう
「花束はこのクラスの全員からのプレゼントです。花は
歓声が静かになり、
「さて、浮ついた話はここまで。これからは普通に授業するわよ!まずはホームルーム始めましょうか!」
東条先生のその声に、いつものクラスに戻り、いつものホームルームが始まるのであった。
ホームルームも終わり、授業開始まで、少し時間があったので、
「式に出て下さりありがとうございました」
「どういたしまして。でも、呼ばれなかったら逆にへこんでたところよ」
バイバーイと軽く
*
授業の合間の休み時間には、皆、
「トーチ」
種火の魔法、トーチを披露した。アントネラと交流を始めてから、
「ファイアーボール」
皆驚き、「おぉ。スゴい。こんなの初めて見る」とか、「何?それ何の手品?」とか、「仕組みが分からん。このタネを明かさぬ
これは、現代科学では解明されていない、というか、こちらの世界では使う者がいない”魔法”というものだと説明する。魔法については日本のカルチャー的には皆知っているものの、信じる者、信じない者、どちらとも判断付けられない者、感想は様々であった。
*
授業が終わると、皆、
*
「ただいま」
「お帰り」
「お帰りなさい」
家に帰ると、母の
「アントネラって学校にも行ってないし、一日中フリーだよな?」
「うん」
「普段は何してるの?」
「えぇっと、お義母さんの手伝いで家事がほとんどかな。あとは腕が鈍らないように魔法の練習とか
「そっか。
アントネラはアントネラで
これから
「今日の夜から、作戦会議をしよう」
「分かった」
アントネラは
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