第5話 アルトさんのパーティメンバーとの顔合わせ
アリスと受け取ったギルドカードを見ながらアルトさんたちがいるテーブルに向かった。
「おい見ろよ。あれブロンズのギルドカードだぜ。」
「いきなりCランクスタートかよ。」
など聞こえてくるが、まだギルマスも受付のところにいるし、私たちが向かっているのは、Aランク冒険者のアルトさんたちのところなので、何か言いたそうではあるが、私たちが周りの冒険者から絡まれることはなかった。
アルトさんがいるテーブルに着くと初めましてなので、まずは自己紹介から始まった。
「じゃあこっちから自己紹介するな。まずは俺からな。深紅の翼のリーダーで魔法剣士のアルトだ。名前は試験の時に言ったから知っているだろうが一応な。」
「私は、魔法職で攻撃魔法メインで担当しているソフィアよ。よろしくね。」
「俺は、槍術士のサイだ。よろしく。」
「俺は、
「最後は私ね。魔法職で回復や支援魔法、防御魔法を担当しているミリーナです。よろしくお願いします。」
アルトさんのパーティメンバーの自己紹介が終わったから今度は私たちね。
「私はマリンです。剣も魔法も使えるから私もアルトさんと同じで魔法剣士でいいのかな。よろしくお願いしますわ。」
「私はアリスです。魔法職で攻撃魔法も使えますが、聖属性が使えるので、回復や治癒魔法も使えるので支援も出来ます。あと短剣と格闘も出来ます。」
それぞれの自己紹介は終わりましたね。
私たちが一時的にパーティに加入して、依頼を受けるのはアルトさんが既に話されているでしょうから次は何をするのでしょうかね。
依頼を受ける申請をしに行くのですかね。
「アリスが持っている魔法属性について軽く話してくれたが、人が多いところだとマズいこともあるからあとで個室のあるところで、使える属性も連携のため知っておく必要があるから話すとして、とりあえずサイ、この二枚の依頼書持って受付行ってきてくれ。
その間にどちらの依頼を先にやるか決めとくから」
「わかった。じゃあ行ってくる。」
サイさんは、アルトさんから依頼書を二枚受け取り受付に向かっていった。
「じゃあどうするか。キングタイガーウルフは森の奥だし、そうそう人も近づかないだろうから、俺は盗賊討伐を先にと考えているが皆はどう思う。」
「「「「「「それでいい(です)」」」」」」
すぐ決まってしまったわね。サイさんも戻ってきたし、どこかに移動するのかな。
酒場だけど料理やお酒がテーブルに並んでいるわけではないから私たちを待っていただけって感じですし……
「じゃあ、サイも戻ってきたし、飯食いながら話せる個室のある飯屋にでも行くか。
親睦会の意味も込めて。それでいいかな二人とも。」
「「はい。かまいません(わ)」」
「アルトの奢りか。」
「二人の分は俺が払うがあとは割り勘だ。」
「そりゃないぜ。」
「アルトの奢りなら好きなだけ飲み食いしようと思っていたです。」
ミリーナさんは小柄なのに実は大食いだったりするのでしょうかね。
食事を済ませてくることを伝えなければですが、まだ外に馬車がいるでしょうから御者に伝えてもらいますかね。ロイナール男爵家の方にもそんなことを考えながらギルドから出ていく。
「すみません。食べてくるので食事は不要だと家族への伝言を頼まないといけないので、あの馬車の御者に伝えてきていいですか。」
「まあ、いいけど。デカくて豪華な馬車だな。」
「私乗ってみたいです。」
「ミリーナ、勇気あるなお前。」
「どうする。御者に伝言を頼むでもいいし、まだ時間あるし、ミリーナの願いを叶えて皆乗れそうだし、二人の家に行って報告してから飯に行くでもいいが、マリンとアリスが決めてくれ。」
年上でしょうが、可愛らしいミリーナさんの願いを叶えてあげるのもありですね。
装備や豪華な馬車で私たちが貴族だろうと皆、思っているでしょうからまずはロイナール男爵家に向かってその後に王城へ向かいましょう。
王都の外に出る時は王家の紋章の付けられた馬車を使いますが、王都内の移動では紋章付いてませんからどこの家なのかわからないですわよね。
登録も名前だけしか書きませんでしたから、マリンもアリスもローズナイト王国ではよくある名前ですからね。
「では、ミリーナさんのために一緒に馬車に乗って行きましょう。アリスもそれでいいですか。」
「はい。大丈夫です。」
「やった。豪華な馬車に乗れる。」
そして私、アリスの順番にそして深紅の翼のメンバーが次々に乗り込み、まずはアリスの家であるロイナール男爵家の屋敷に向かいます。
「では、まずはアリスの家からにしましょう。ここからだとアリスの家の方が近いですからね。」
御者に行き先を伝え、そして私たちを乗せた馬車は貴族区域の中へと進んでいく。
貴族区域に入りしばらく進むとアリスの家であるロイナール男爵家の屋敷に到着しました。
「では、私は家族に伝えてくるので、お待ちいただくことになり申し訳ありませんが行ってきます。」
そう言って馬車を降りたアリスは、屋敷の中に入っていきました。
「アリスは、ロイナール男爵家の令嬢だったのか。」
「そうですわ。」
「じゃあ、マリンはどこの貴族家の令嬢なんだ。教えてくれよ。」
アルトさんからの問いに答えるとサイさんが私がどこの貴族家の令嬢か聞いてきましたが、ドッキリ大成功な感じで驚く顔が見たいですし、教えませんわ。
「それは、着いてからのお楽しみですわ。」
そんな話をしているとアリスが戻ってきました。
「お待たせしました。家族には伝えてきましたし、許可も貰ってきました。」
「私の家に向かいましょう。」
アリスも馬車に乗り、御者には既に伝えてあるので、馬車は貴族区域の奥へ奥へと進んでいきます。
「到着しましたわね。ここが私の家ですわ。」
私がそういうと目の前には王城が、私が王女である事を知っているアリス以外の皆は驚いて口を開けっ放しですわね。
驚いて貰えてよかったです。ドッキリ大成功ですわ。
「では、私も家族に伝えてきますわね。」
そう言って、してやったりと驚いている皆に笑いかけてから馬車を降り、城内に入っていく。
「私も食事がいらないことと、皆さんと食事に行く許可を貰ってきましたわ。」
まだ皆さん驚いたままですわね。
「まだ驚いているままなのですね。それでは、行きましょうか。」
「それはそうです。マリンってよくある名前ですので、まさか王女殿下だなんて思わなかったですから王城に近づいて行くにつれて不安を感じてはしましたが……」
「アルトさん。何で言葉使いが丁寧に……今まで通りで大丈夫ですよ。この格好の時は冒険者のマリンとアリスですから敬語や敬称は不要ですよ。」
「ギルマスは知っているのか。二人のこと……」
「はい。ギルマスは登城されることもありますから私は城内であったことありまし、アリスは初対面でしたが、ギルマスはロイナール男爵とは年の離れた飲み友達らしいので、アリスの存在は知っていたようですわ。」
「ああ、ギルマスのこと伝え忘れてしまいました。」
近いうちに飲みに行くってやつですわね。
「屋敷に戻ってから伝えればいいのではなくって」
「そうですね。」
そんな話しをしていると私が御者に伝えた店に到着したので皆で馬車から降りました。
「俺たちに行き先聞かなかったから変だと思ったが、まさかこの店に入るのか。」
「はい。そうですよ。」
「二人の分は俺が払うと言ったが、貴族区域にあるこんな店かなり高そうな店じゃ、俺には二人の分どころか自分の分すら払いきれないぞ。」
「王族、貴族御用達の最上級のお店ですので広々とした個室もありますよ。
支払いの方は、私も手持ちがありますし、国王陛下からもお金をいただいたので、気にせず好きなだけ召し上がっていただいて大丈夫ですわ。」
「この格好で大丈夫なのか。入店拒否で追い出されたりとか」
「確かにドレスコードがありますが、私もいますし、先に店側には伝えてありますので今回は大丈夫ですわ。」
確かに貴族区域などの王族や貴族を相手にする高級店などは、ドレスコードがありますが、入店前までに伝えてあれば、あまりにも酷くない限りは、最高級店なほどOKしてくれたりするのです。
皆に大丈夫なことを説明して、皆で店内に入っていきました。
深紅の翼のメンバーはビクビクキョロキョロしながらですが……
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