瞬の太陽

朝日は昇り始めが一番おいしい

もぎたてのレモンのような香り

みずみずしさが全身から溢れ出す


すとん と輪切りにする

光があふれだし

少し明るくなるキッチン


夕日は沈み切る直前が一番おいしい

真っ赤に熟れた赤すぐりのように

懐かしい味がした


辺りはもう暗くなってしまった

この瞼の裏の赤色も

いつか消えてしまうのだろうか

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