第5話 北条家での初めての夜
疲れながらも何とか料理を食べ終わり、今日はもう遅いと言うことで休むように克人さんに言われた俺は、今日は北条さんと話すことは諦めて梓さんの案内で俺に与えられた部屋に向かった。
ちなみに北条さんは食べ終わったや否や、席を立ち自室に戻って行った。
俺に与えられた部屋につき、ドアを開けてみるとそこには天蓋のついたキングサイズのベッドがあった。部屋自体も相当広く梓さんによると24畳もあるらしい。
24畳がどれくらいの大きさかイマイチわからないが、パッと見て俺の家のリビングよりは広い。それで一部屋。廊下に出てみると端まで何個も同じような扉が両側についている。もうこの屋敷がどれくらい大きいか分かっただろう。
中に入ると、ベッドのそばにメイドさんが運んできくれた俺の荷物(と言ってもキャリーケース一個だけなのだが)が置いてあった。
「お風呂場は一階、食堂の奥に男湯と女湯に分かれております。タオルは脱衣所のほうに常備してございます。歯ブラシ等はそこの洗面台にございます」
普通の家庭で男湯と女湯に分かれているのかスゲーな。あ、普通の家庭じゃなかった。洗面台が部屋についてるくらいだしな。まぁ、これでラノベでよくあるラッキースケベが起こる可能性は無くなったわけだ。
自分の中でそんな会話を繰り広げていたとき、ふと顔をあげ時計をみるともうすぐ11時になろうとしていた。早く寝る準備を済ませて寝よう。
「わかりました。ありがとうございます。早速お風呂いただきます。」
「はい、何かございましたらお呼びください」
おやすみなさいと言って出ていく梓さんにおやすみなさいと返して、俺はキャリーケースから家から持ってきたパジャマを持ってお風呂場に向かった。
食堂を取り過ぎると温泉でよくみる男湯と書かれた青と女湯と書かれた赤の暖簾が見えた。もちろん男湯の中に入りこれまた温泉なんかにあるくらい広い脱衣所で服を脱ぎ、置いてあった小さなタオルを持って扉を開けた。
ガラガラガラ〜
うん。もう驚かなくなったな。湯船だけで俺の部屋の2倍くらいかな。おっと露天風呂もあるのか。あ、サウナもあるのね。ふ〜ん、すごいな。よしっ、体洗うか。
風呂がバカ広いことにはもう驚かず、頭と体を念入りに洗った俺は湯船に浸かった。
今日は多分人生で一番いろんな出来事があった日になるんだろうなぁ。それにしてもうまくやっていけるかなぁ。克人さんと翔子さんは優しくしてくれるし接しやすいから大丈夫だと思うけど、問題は北条さんなんだよなぁ。
そんなことを考えながら10分ほど浸かり、シャワーで体を流してから脱衣所に向かった。
確か小さいタオルで水を落としてから、脱衣所に入るんだったよな。
もうずっと銭湯や温泉に行っていなかったため、作法を忘れかけていたが記憶の片隅から呼び起こし、小さなタオルで拭いてからバスタオルで拭き、パジャマを着て、部屋に戻った俺は歯磨きなどの就寝準備を済ませ、ベッドに寝っ転がり、掛け布団をかけた。
すごいなこのベッド、すっごいふかふかだし、部屋もあったかいし、すぐ寝れそうだな。俺の家は隙間風がすごくて、めっちゃ寒かったからな。
そして修は深い眠りについたのだった。
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