七夕はオーストラリアで・・・
アオヤ
第1話
「ねえ〜 七夕の新婚旅行の準備できた?」
俺、青木翔と妻となった船木由美はジュンブライドの結婚式を終えて7月の蒸し暑い日本を離れ、真冬のオーストラリアに十日間の避難生活する事となった。
でも、結婚式で散財した俺には新婚旅行に出せる貯金は無かったのだが・・・
「新婚旅行の費用は私が出すよ。それなら文句ないでしょう?」
妻の由美からそう言われると断る理由を探すほうが大変だった。
俺たちはわずか十日間という短い日程でドコを見てまわるか喧嘩しながらスケジュールを決めていった。
俺が行きたかったエアーズロックは移動に時間がかかりすぎるという理由であっさり却下され、由美の行きたかったケアンズとシドニーとなった。
「オーストラリアって冬だよね。結婚して間もなくだから、まだ冬服あまりないよね。翔の上着は秋物のセーターでいいかな?」
「えっ?由美ちゃんは何持ってくの?」
「私はこのデニムのパーカー持ってくつもりだけど・・・」
「俺の秋物のセーターって寒くない?」
「南半球ってそんなに寒くないから大丈夫だよ。」
「そうなんだ?由美ちゃんって物知りだね。」
「ウンウン、私に任せれば大丈夫だよ。」
俺はお金をだしてくれる由美に感謝しつつもどことなく天然なところがあるので一抹の不安を覚える。
でも、由美ちゃんとの初めての海外旅行だ。
思う存分楽しみたい。
俺たちは不安を抱えながら成田からケアンズ国際空港に到着した。
蒸し暑い日本から程よい心地のケアンズに到着して旅行会社の人に簡単に街を案内される。
ケアンズは小さな街であっとゆう間に一回りしてしまった。
ホテルに到着してゆっくりしていたら
「オプションどうする?とりあえず、グリーン島でも行って・・・ パラセーリングでもしてみる?」
「ウン、いいかもね。ゆっくりできるね。」
旅費をだしてもらってる俺は彼女に何か言える立場ではない。
旅行中はイエスマンを貫こうと決めていた。
俺たちはグラスボトムボートに乗って海の底を眺めながらグリーン島に向かった。
飛行機に数時間乗って来て、疲れが完全にとれずにボートに乗ったので・・・
しばらくすると船酔いした。
船の底には熱帯の綺麗な魚たちが群れていたが・・・
下を向くと”ウッ”となった。
そんなこんなで、なんとか無事にグリーン島には到着した。
ホッとしてるのもつかの間で由美に連れられてパラセーリングする場所にやってきて・・・
クラクラしてる状態で俺は由美と隣り合って上空に舞い上がる。
上空では風を受けてガツンガツンと揺すぶられ・・・
俺の酔は絶頂を迎えた。
もう隣に由美が居ようがお構い無しで上空でゲロゲロだった。
やっと地上にたどり着いた俺達だが・・・
そこで、ゲロゲロの俺たちの写真を買わされた。
・・・ウンウン、いい記念になった。
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