第17話 走るー走るー俺ー♪

当然のように彼は時間を少し戻した。

そして走った。


やはり事件が起こらなければ、何もなく終わる。

彼女が男に絡まれてるタイミングで助けねばならない。


歩いていては手遅れになる。

彼は走りながら妄想していた。


彼女が男に捕まった所で颯爽と助ける。

「ありがと…(ポッ)」

「なに、大した事ないさ(ぎゅっ)」

今度こそ、彼女は俺に惚れちゃうね!

明日からは、彼女の自転車を俺が漕いで、後ろに彼女を乗せて。

腕を腰に回されちゃったりなんかして!

しちゃったりなんかしてー!!

ふへへへへ…おっと、いかんいかん。


そして彼は走り続け、駅に着いた。

(いやー、頑張れば駅まで走り切れるんだな!)


あれ?

彼女は?


■先行逃げ切り

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