第7話 そもそも身体を張って止める必要はない
彼は屋上から落下しながら時間を少し元した。
もっとガッツリ戻せたら色々と準備が出来る所だが、残念ながら彼の能力では少ししか戻せない。
そして彼は一目散に屋上を目指した。
階段をかけ上がりながら考える。
そもそも人間は言葉で意思の疎通が出来るのだ。
身体を張って止める必要はない。
(だから、先に気が付けってば)
屋上へと続く扉を開け、彼女に迫ろうとする男子生徒に向かって声を張り上げる。
「おい!ぜぇぜぇ…彼女に…ぜぇぜぇ…ゲホッゲホッ…「きゃぁぁぁぁ…(落下)」」
あぁ、階段を全力で駆け上がって更に大声を出す体力なんて無かったさ。
■人間、全力疾走した直後には言語能力は失われる
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