第二部と番外編(旅館編、病院編)の読まなくても何も困らない登場人物紹介

■優しい魔王編

ライア・エル・ファルシール

今日も今日とて元気に趣味に生きている畜生。

女神様からの神託を受けて女神の使徒に任命された、とても清らかで勇敢で賢く優しい第三王子。少なくともはたから見ればそう。

行く先々で起こる事件と鬱展開と少年少女の成長に、感涙したり激怒したり心揺さぶられたりなんやかんやし、女神からの無茶振りも楽しく完遂したうえ一定条件下でひとの記憶を読む能力を手に入れた。どう考えてもロクなことに使わない。

演出のためならゴリゴリの拷問の末殺されることも厭わないメンタルクソつよ狂人ではあるが、似たような性質の人間からターゲット認定されると普通に精神が削れる。自分のヤバさを自覚しているので、相手のヤバさにも理解が深い。

王族なのでじつは婚約者がいたのだが、将来の就職先が神殿に決定したため生涯独身になる可能性が出てきた。

前世ではUND○RTALEをきっちり4周してオチににっこりしていたタイプ。


あかがね勇人はやと

地球から異世界に転移して邪神と闘う羽目になった少年その1。

元気で明るく勇敢な、いかにも主人公じみた光属性少年だが、敵をぶった切ることに対して抵抗がなさ過ぎる。戦国時代辺りに生まれていたらとんでもねえ首切りバーサーカーになっていた可能性がめちゃくちゃある。

友人の立夏が虐待されていることに気付いていたが助けられなかったことや、自分の性質に苦悩していたが、なんやかんや折り合いをつけたので今後はメンタルが安定する。

好きな子のタイプは優しくて芯のしっかりした子。

好きなオムライスは卵がふわとろでカレーがかかってるやつ。


白雪しらゆき琉唯るい

地球から異世界に転移して邪神と闘う羽目になった少女。

凜として賢く優しい美少女なのだが、幼馴染の勇人にクソデカ感情を抱いているので、他人から解釈違いを押し付けられるとキレる。

明るくて元気で馬鹿で自分のことをちっとも女の子として意識していなくて、そういう意味で好きにならない勇人が好き。恋愛感情というより推していると言ったほうが近い。

錬や立夏のことは普通に幼馴染として好きだし、四人揃ってワンセットと思っている。そのわりにどうして勇人にだけコレなのかは本人も理解していない。

好きな子のタイプは明るくて裏表のない人。

最近の趣味は犬が長い棒きれをくわえて爆走する動画を見ること。


蒼井あおいれん

地球から異世界に転移して邪神と闘う羽目になった少年その2。

仲良し四人組の中では一番誕生日が早い&体が大きい&常識人なので、自分が皆を守らなければ……と子供心に思ってそのまま成長したお兄ちゃん気質。

ライアが軽率に大怪我をしたり死にかけたせいで、今回無駄にトラウマを植え付けられた。

全員の中で一番喧嘩や荒事が苦手なのだが、出来ないわけじゃない。というか苦手だけれど出来ないわけじゃない事が多すぎて苦労性になっている。

優し過ぎて将来借金の保証人になりそうだ、と友人たちから心配されていることを本人だけが知らない。

好きな子のタイプは優しくておっとりした大人のおねえさん。

最近近所の野良猫が子供を産んだので、皆に相談して里親を探すつもり。


黒宮くろみや立夏りっか

突然邪神にロックオンされて異世界に連れ去られたうえ友人も巻き込まれた少年。

好奇心と行動力の擬人化みたいな精神をしている。そのわりに言動は落ち着いているし理性的なので、普通に暮らしているぶんには大人しい少年に見えなくもない。少なくとも仲良し四人組の中では勇人がダントツで落ち着きが無いため、相対的に物静かなほうだと認識されている。

自分以外の友人三人組が通じ合いすぎているため若干疎外感を感じないでもないけれど、それはそれとして大事にされている自覚があるので変に拗らせたりはしていない。

今回はただでさえトラウマが出来て精神が参っていた上に、わけわからんファンタジーに巻き込まれて心底疲れた。疲れすぎたのと友人が酷い目に遭っているのとでキレた。

キレついでに折り合いをつけたため、今後は周囲の大人や友人に手助けしてもらいながら、彼なりの人生を彼なりに幸せに歩んでゆく。

仮に異世界転生したら、発明チートと内政チートで活躍できるポテンシャルの持ち主。多分鈍感系主人公。

好きな子のタイプは黒髪目隠れ健気小柄可憐美少女。あるいは長身長髪厳格武人系三白眼美女。そんな奴が地球に居る確率は低い。目を覚ませ。

こう見えてはちみつたっぷりのチーズナンを5枚完食できる。


黒宮くろみや藤吾とうご

立夏の母の再婚相手。

ホワイト企業のブラック部署に配属された不憫な人。

線の細い優男で、立夏と並ぶと血のつながった親子のように見えた。

見た目のわりに元気いっぱいな立夏に構われ倒し、なんやかんやで仲良くなれたことをずっと感謝していたし、自分の弱さのせいで息子を傷付けたことを腹の底から悔いている。

来世では今世より精神的に強くなるし、パワハラ野郎に遭う確率も減る。頑張って生きて幸せになれ。

なお職場のパワハラ上司は今世で特別天罰が下ることはないが、やらかしているので普通に来世に向けた査定に響く。ファンタジー世界転生で、特殊性癖で独り身のナルシストなおっさんに飼われてる触手とかに生まれ変わりかねない。


黒宮くろみやあおい

立夏の母。

看護師で非常に忙しいが、可能な限り子供と真っ直ぐ向き合って育ててきた出来た人。

藤吾とは職場近くのスーパーで、ひったくりに遭いそうになったところを助けてもらって知り合った。

今回めちゃくちゃ辛い目に遭っているが、時間さえあれば立ち直って我が子二人と強く生きていける。

叩かれるとより強靭になっていくタイプなので、ライアが会っていたら確実に握手を求めていた。


黒宮くろみやはな

立夏の妹。

三月の末に生まれた。名前は桜と迷って、クラス内で被りそうなので花にした。

まだ何も知らない赤ん坊。

彼女の前には無限の可能性が広がっているし、周囲には優しい人々がいる。元気に育て。

最近はアンパンマンにドハマリする時期を迎えた。


アリア・クラーレン

昼間は有能貴婦人文官。夜とか休日は有能エリート密偵。しかしてその正体は博愛変人ロリショタコンである。

今回の仕事ではとても良い空気を吸っていた。

日々平凡な少年少女の健やかな成長を温かく見守っているが、抑圧されたり苦労したり飛びぬけて優秀だったりする特殊な少年少女の活躍も同じく温かく見守っている。

ライアのことはとても有能でメンタルが強く、しかも自分と同じく世界と人類を愛する嗜好の人だと思っているので大好き。

仮にライアが再起不能の怪我を負ったり死んだりしそうな場面になったら命を賭して助けるが、そうじゃないなら状況次第でわりと雑な扱いをしている。愛ってなんだろうな。


ミラベル・オービニエ

村娘からの女優からの強盗からの第一王子直轄密偵部隊所属新米密偵とかいう経歴の人。人生は何が起こるかわからない。

拾ってくれた第一王子と第三王子には恩義を感じているし、そもそも退職できる立場じゃないので、色々な意味で難しい仕事を胃を痛めつつやっていくしかない。頑張って生きてほしい。きっとそのうちいいことあるよ。知らんけど。

マブダチのヴィオレッタさんとはその後サシでは会ってはいないが、第一王子の護衛としてヴィオレッタさんの劇場へ行ったりはしている。そしてヴィオレッタさんに対しては第一王子がミラベル生存フラグ匂わせを行っている。優しい世界。


ギルベルト・ダーミッシュ

今回の仕事は主に護衛兼野営担当。正直王宮で第三王子の護衛をさせているより、魔獣退治で外に出てもらうほうがよっぽど有効活用になる人材。適材適所に置いてやれ。

ライアと姿を隠して同行しているアリアとの間の連絡係もしていた。ライアの護衛なので当然アリアのやべー性癖は察しているが、アリアはショタじゃないギルベルト相手にはかなりまともな歴戦の戦士ムーブをするので、技能面ではわりと尊敬している。

ライアとしては最推し元奴隷堕ち騎士と一番苦手なショタコンの仲が意外と良いのはちょっと複雑な気分になるのだが、そもそもライアがギルベルトの前でニチャア顔を見せてしまって初手好感度爆下げしたのが敗因なので、自業自得とも言える。


アストレイ・エル・ファルシール

王家の元気な第二王子。

万能超人の第一王子や幼少期から大人びていた第三王子と比べられたり、本人の抜群のフィジカルの強さが印象に残るせいで、王族内では脳筋担当に見られがちだが、決してそんなことはない。それはそれとして戦闘民族ではある。

性質としては勇人と近いため錬とかなり相性が良く、城に滞在している間に仲良くなった。女神の使徒ご一行が地球へ帰った後も度々思い出しては懐かしんでいる。

将来は軍の偉い人になる予定だが、正直戦略より戦術のほうが得意だし、なんなら実戦のほうがもっと得意なので前線に出たい。出すわけにはいかないので周囲は頑張って司令官適性を上げるべく教育を行っている。


そのほか王家のみなさん

今回も登場しなかった母上含めてみんな元気。

邪神討伐の旅に出る末っ子の(演出的には)儚い背中を立派に見送った。

応援はしていたが、正直そんなに心配はしていなかった。信頼というより勘。


ヴォルフ・アーレンス

今回マジでほぼほぼ出番がなかった第三王子お世話係。

将来的には第三王子の家臣の中で家令のようなポジションに就くべく教育を受けているので、普通に有能オブ有能なのだが、それはそれとして一部も二部も活躍の場は特にない。ごめんな。

ライアの本性を未だに知らないまま、なんてよい主人なのだろうと思って仕えている。見ようによっては作中随一で不憫かもしれない。


イーサン・オルコット

美人の奥さんと優しい娘さんを亡くした不憫な猟師。

家族を愛し、仕事を頑張り、一生懸命生きていた寡黙な男。

この後魔物絶対殺すマンと化し、周辺地域の数々の厄介な魔物を猟師スキルで狩りまくる。やりすぎて国専属の魔獣退治騎士団から褒賞とか貰う。

ここは優しい世界なので、彼の住む村にいる美人の未亡人と寂しさを分かち合ううちに、良い仲になり再婚する。最後は孫に囲まれて大往生してくれ。


アニー・オルコット

家族思いの優しい子。

めちゃくちゃ善良に生きてきたので転生ガチャは安泰。

来世ではウサギに苦手意識があり、猟師となってウサギ絶対殺すウーマンと化す。どんなに素早い獲物でも仕留める凄腕になるので結果オーライ。


ローチ

他国の後ろ暗い組織出身のため倫理観がハチャメチャなことになってしまっている青年。

借金漬けの父親がギャング的組織に体で支払いをすることになり、母親は身重の体でどうにか逃げようとするも魔獣をけしかけられ死亡。運よく生き残ったローチは縁起がいいからとそのまま組織に引き取られ、幼いころから英才教育を施されてすくすく育った。

第二部随一のやべーキャラのはずなのだが、ライアがアレ過ぎたので相対的になぜかマシみたいな立ち位置になってしまった。

実際きちんとした環境で生きていれば普通に好青年になっていたタイプなので、どんな環境で生きていてもああなるライアと比べると、かなりまともな精神と嗜好をしていると言えなくもない。


難民村のみなさん

不法入国&不法占有をキメてらっしゃるみなさん。といってもここは現代日本じゃないのでそこまで罪に問われるわけでもない。

自治組織がそこそこきちんとしていたことと、手に職のある人間が多かったこともあって、わりときっちり村として機能している。

今後は国から色々援助を受けて林業村としてやっていくことになる。


名前のない邪神

人々の持つ強い願いを、人外なりの基準で叶えてくれる神。

生命体というより現象じみているので、人間の感情の機微や価値観を理解しているとは言い難い。

願い事は、お願いをした人間が持つ魔力と、それで賄えなければ邪神自身の持つ力も使って叶えられる。

めちゃくちゃ極論にはなるが、仮にニキビが治りますようにと腹の底から願った場合、本人の持つ魔力だけで済むので悲惨なことにはならず普通に叶い、お肌の調子がちょっと良くなる。

でも大抵の強い願いは人間がちょっと頑張った程度では叶わないものなので、結局邪神ちゃんの力を使ったぶんだけ歪んで叶ってしまう。夢ってむずかしいね。


スフィア

テンプレドジっ子チョロ甘幼女神。少なくとも人間の目にはそう見える。


■オカスレ旅館編

上棲杜部夫

経営者としてはそこそこ有能だったが、スピリチュアルとオカルト好きが高じてオリジナル宗教をぶち上げ、罪のない猫たちと妻を生贄に捧げた重罪野郎。

被害者たちから呪い殺されて無事地獄に落ちているため、旅館内にはいない。


上棲杜部妻

やべー夫に猟奇殺人をされたうえに、うまいことオカルト要素がかみ合ってしまい立派な怪異になっていた。

お腹の繭を自分ではどうすることもできず、かわりに取り除いてくれる人を探していた。完璧な人選をした有能おばけ。

ネコチャンたちと仲良くしたいが、目をかっぴらいて近付いてしまうタイプなので塩対応されている。


ネコチャンたち

可愛がられて育っていた地域猫たち。

上棲杜部妻の手で埋葬され、仇の夫を呪い殺し、べつに成仏してもいいんだけれどなんとなく旅館跡地でたむろしている。

たまに訪れた人にここ幽霊だらけやでと警告してくれる優しい子。気が向かなかったら特に警告せず放置。ネコチャンだから気まぐれなのはしかたないね。

上棲杜部妻とは敵対しているわけではないけれど、別に仲良くもない。


旅館内の浮幽霊

幽霊旅館内でうろうろしている、悪意があったりなかったりする浮幽霊たち。画面内に見切れて映り込みがち。

ライアに引いてる奴もいるし、掲示板の向こうの人たちを驚かせたがっている奴もいる。理屈も倫理も常識もなにも通じないものもいる。


繭ちゃん

孵らなかった。


■オカスレ病院編

バーサーカー看護師

娘さんが目の前で殺された無念により、不審者全員殺すウーマンと化していた。

基本的に病院内を巡回するか殺人鬼と生前のバトルのリプレイをするだけの単調なおばけ人生を歩んでいたが、今回はライアが患者に成りすまして近付いたため、職務に対する責任感でうまいこと理性をやや回復させていた。

成仏後はちゃんと天国で娘さんと再会している。よかったね。


殺人鬼

ゴミみたいな性格の家族に虐待されて育ち、自分の中の愛憎とうまく向き合えないまま家族を喪った。倫理観もまともな情緒も当然育っていない。

両親と妹役はもう見つけたので、今回は弟役が欲しかった。それでライアを呼ぶのはさすがに人選がガバガバにもほどがある。

メタな話をすると番外編第二部は本編第二部の「仲間とともに敵に立ち向かうが、ライアはあくまで補佐役」「一人娘を失い、自分と同じ思いをする人間を増やしたくないという願いのある親」「自分を虐待していた家族を事故で亡くした過去がある少年」「超常の存在が主人公を見ているが、主人公側からは知覚できない」などの諸々の要素を地獄煮込みセルフパロにして作った話なので、殺人鬼くんに対してライアが最後に言った言葉は、立夏くんに対してライアが言った言葉と同じ種類のもの。

ただし立夏くんと殺人鬼くんではその受け取り方に天と地ほどの差がある。

家族が転生して生きているかもしれないと知った殺人鬼くんの心境とその後の行動については、読んだかたの解釈にお任せしたいなという気持ちです。こんな畜生主人公の話を読んでいる方々なので、多分闇の解釈が多いんだろうなと勝手に思っています。


警備室のなにか

見ていた。

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