LIVING BY NECK HUNTING sidestory OVERTURE TO MADNESS

SEN

Living by neck hunting OVERTURE TO MADNESS

台本:SEN  声劇3人台本(男1・女2) 所要時間:50


説明欄や詳細文などに『作品タイトル・台本URL・作者名』の明記をお願い致します。

※各作品の著作権は放棄しておりません。無断転載や自作発言等、著作権を侵害する行為はお止め下さい。もちろん無断での改編や再配布も禁止です。

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※【Living by neck hunting~SISTER WAR】に登場するキギア・ヒナミのサイドストーリーとなっております。あらすじ等ございませんのでストーリー等はそちらをご覧ください。



配役

アキミ:

ヒナミ:

ジキア:

エンス:(ジキア兼役でも可)




キャラクター紹介↓



アキミ(女・26歳):タハバナ国代表戦士。ヘッドハンターズを9連覇しているチームクルシアルのリーダー。国を愛し人を愛する誇り高き女性。常に人の前に立ちタハバナ国を導いている。戦い方は冷静沈着だが常に無駄がなくその剣先は最短を描き敵に届く。【氷花のアキミ】と各国から恐れられている。


ヒナミ(女・24歳):アキミの妹。姉を信頼している元気で活発な女性。人を護るとなれば豹変する。異名【神雷】の名を持つ彼女は体に電気を雇ってしまう体質を嫌がっていたがいざ戦いとなるとその無意識に電気を体に流し、反射神経をあげる。本人でさえ目が付いて行かない為、手を地面につけて動くこともある。


ジキア(男・28歳):アキミの夫。穏やかで優しく気さくな性格。アキミ姉妹とは幼馴染で心から信頼しあっている。世界に一本の名刀といわれている剣【リヴドゥルシュナイデン】という剣を持ちアキミに並ぶ剣の使い手である。50匹の狼に囲まれても女、子供を護り生き延びたとされていることから【狼斬のジキア】と呼ばれ国の英雄である。


エンス(男・?歳):謎の男。




本編↓








ヒナミ

「もぅ~二人共…早くしないと大会に遅れちゃうよ?早く行こう?」


アキミ

「ん、あぁ…ごめんごめん。ここの花達とまたしばらく会えなくなるのかと思うと…寂しくてさ」


ジキア

「フフッ…良い歳にもなって…いつからそんな乙女になったんだろうな~アキミは」


アキミ

「うるさい」


ジキア

「おぉー怖っ…ただでさえ目つきが悪いんだ、そぅ睨みつけ───」



◆SE蹴る



ジキア

「う゛ぅっ」


アキミ(笑いながら

「あんたその口閉じないと急所蹴るわよ?」


ジキア

「け、蹴る前に、言ってもらって…いいですかねぇ…」


ヒナミ

「もぅ!ふたりとも!急がないと馬車で3日はかかるんだからねー?早く!」


アキミ

「あぁ、今行くよ。……ジキア?行かないのか?」


ジキア

「…き、きゅぅしょを蹴られてぇ…すぐ動けた…ら…苦労しなぃょねぇ」


アキミ

「相変わらずだなぁ…バカやってないで行くぞ」



アキミN

私達3人は、1年に1回この大陸で行われている大陸統一をかけた武闘大会【ヘッドハンターズ】に出場し9年連続優勝していた。平穏で平和を願う国は多いだろうけどここまで無欲な国はこの国以外他にないだろう。タハバナ王国の願いは、【平和的に。そして花を愛してください】と、主張するのみで他に何も望まない。この大陸は9年間戦争も無く平和な時が流れた。他国からも「タハバナのクルシアルに勝ってほしい」と、棄権する国もでてくる始末だった……そして今年もまた…ヘッドハンターズが始まる。



●間5拍



◆SE馬車


ジキア

「しかし……毎年毎年…意味があるのかな、この大会は」


ヒナミ

「ありますよ……よからぬことを考える国々はいっぱい、だからこそ私達が優勝することで丸く納まっているんだよ?」


アキミ

「そぅだぞ?ジキア…私達がこの大陸を平和に治めてるようなものだ。まぁあの大会が始まった当初は二人組のチーム、テンペストって奴等が5連覇していたらしいが、そいつらも皆が豊かに暮らせるように、としか願わなかったそうだ」


ジキア

「へぇ…面白い連中もいるもんだなぁ……二人で参加なんてめちゃくちゃ。だが、一度戦ってみたかったな」


ヒナミ

「私達もそぅでしょ?3人で挑んでるチームはどの国もいなかった…寄せ集めで強い傭兵を5人集めているところは何ヵ国も見られましたけど」


ジキア

「そんなんじゃぁ俺達には勝てねぇなぁ…まぁ、もしもの為に国の騎士団長レベルを出したくないんだろうなぁ。【温存】かぁ…嫌な言葉だな」


アキミ

「ま、平和に真剣な国が勝っているのはいいことじゃないか…私達は負けることができない。いいな?」


ヒナミ

「わかっています、姉さん」


ジキア

「あぁ、お前達を殺させるつもりはない」



●間3拍


アキミ

「二人を……国を護る。そのために…私がもっと強くならなくては…」




●間5拍



◆SE馬車

●間3拍



ジキア

「おい、アキミ…起きろ」


ヒナミ

「姉さん」


アキミ

「んん?……なんだ?もぅついたのか?早すぎないか?」


ヒナミ

「あれをみて」


アキミ

「ん?……軍隊……のようね…どこかと戦争でもしようというのかしら?」


ジキア

「あぁ……そのよぅだ。どうやらあいつら……俺達と戦争したいらしい。先程偵察らしきものが何回も横を通っていったからな」


アキミ

「どういうこと?」


ヒナミ

「相変わらずの平和脳ですねぇ…姉さん。ここで私達を潰しておこうという国が待ち伏せしていたんですよ。」


アキミ

「あぁ…なるほど」


ジキア

「一応戦争はしてはいけないことになっているんだがな……バレなきゃ知らない…ってか。それにこれはもぅ戦争とはいえない。数による一方的な暴力だ。胸糞悪い」


アキミ

「ずるいことを考えるもんだな…あー、あれか。前も同じようなことあったなぁ」


ヒナミ

「一昨年は盗賊団…そして去年は傭兵団。年々強力になっていますねぇ…笑える」


ジキア

「いや笑えんよ?あれ何人いるんだ…」


アキミ

「んー……千?」


ヒナミ

「それぐらいだねぇ…しっかりと武装もされて…弓隊、騎馬隊と豊富ですねぇ……殺る気満々だね!」


アキミ

「ね!…あ、そうだ……あいつら、どこの国かわかる?」


ジキア

「旗や紋章は掲げていない…まぁそこまで馬鹿じゃないってことだな」


ヒナミ

「あの装備、陣形からするに北東のジェラス王国でしょうね…力こそ全てとずっと兵力を蓄えていると噂にもなっていますし」


アキミ

「ジェラスかぁ……やりかねないねぇ……はぁ」


ジキア

「どうする?迂回してやり過ごすか?まぁここを抜けないと大会には間に合わないがな……あ、なるほどぉ…そこまで考えてのここでの待ち伏せなのかぁ…なるほどな……頭良いな」


ヒナミ

「戦争ふっかけてる時点で頭良くないでしょ。引くにしても…どうせ後ろは……ほら、傭兵団がいる。知ってた」


アキミ

「用意周到だこと…どうする?2人とも………よっと」


◆SE抜刀


ジキア

「愚問だな」


◆SE抜刀


ヒナミ

「聞くまでもない」


◆SE抜刀



ジキア

「俺とアキミで正面をやる」


アキミ

「ヒナミ、後ろ……頼めるか」


ヒナミ

「任せて。二人共、手は抜いちゃだめよ?」


アキミ

「私が手を抜いているところを見たことないだろ?問題はこいつだ…」


ジキア

「はいはいしっかりやりますよ……俺だって2人に死なれては困るからな」


アキミ

「では、片づけよう。ジキア、どっちが多く殺せるか…勝負だ」


ジキア

「おーおー血気盛んだことで…だが?……受けて立つ」


ヒナミ

「いくよ、二人共」


アキミ・ジキア

「あぁ」



ヒナミ

「ぅぅぅぅぅぉぉぉおおおおおおお!!」


◆SE全力疾走

◆SE電気


ヒナミ

「神雷っ!!押しとおるっ!!!」


●間3拍



◆SE大群足音



ジキア

「おーおー来た来た……あいつら誰に喧嘩売ってんのかわかってんのかねぇ…」


アキミ

「知っていて尚来るんだろう、馬鹿だから。」


ジキア

「仕方がねぇ……この大陸最強のチーム、クルシアル。とくと味わえ」


アキミ

「触れる者全て、斬るっ」


ジキア・アキミ

「ぅぅぉぉぉおおおおおお゛っ!!!」



アキミN

ヒナミの強さは速さ。【神雷】の名を持つ彼女は体に電気を雇ってしまう体質を嫌がっていたがいざ戦いとなると無意識に電気を体に流し、反射神経をあげる。本人でさえ目が付いて行かない為、手を地面につけて動くこともある為ヒナミのファンからは【神の猫】と呼ばれていた。


ヒナミ

「ふぅ……10分か、割とかかっちゃったなぁ…さて、二人は」


ヒナミN

ジキアの強さは振る力。そこに世界に一本の名刀といわれている聖剣【リヴドゥルシュナイデン】という剣を持ちアキミに並ぶ剣の使い手である。50匹の狼に囲まれながらも女、子供を護り生き延びたとされていることから【狼斬のジキア】と呼ばれ国の英雄である。タハバナの子供達からは【顎鬚のジキア】と呼ばれていることを私は面白くて仕方がない。


ジキア

「我が剣に触れ二つとなれぇっ!ぅぉぉおおおおおりゃぁぁああああああ゛!!」


◆SE振りかぶり斬る


ジキアN

アキミの戦い方は静。俺とは間反対だな。動くといえば斬る時だけ。冷静沈着に相手の動きを読み常に無駄を無くしながらもその剣先は最短を描き敵に届く。揺らぐ事ない氷の花のような冷徹さから【氷花のアキミ】と各国から恐れられている。この前聞いた話だが女性にも人気がありファンクラブまであるらしい……羨ましい


アキミ

「もっと群れて来い、蟻のように。全て薙ぎ払ってやる。」



◆SE速く斬る



ジキアN

俺達はわずか数分で敵の半数を斬った。



●間5拍



ジキア

「逃げていったな、大半」


アキミ

「そうね…まぁびっくりするでしょうね。こんな簡単に人が吹っ飛び続けたら」


ヒナミ

「二人共、お疲れ様っ…二人でざっと五百ってところかしら」


アキミ

「そのぐらいでしょうね…あーあ、勝負してたのになぁ…残念」


ジキア

「お預けだな」


ヒナミ

「じゃぁ会場へ向かいましょうか………って、ぁぁああああっ!!?」


アキミ

「何ぃっ?どうしたの?大きい声出して……」


ジキア

「びっくりしたじゃないか…なんだ?」


ヒナミ

「……ば、ば、ば」


ジキア

「んー?……ぁぁぁぁああああ゛!!?」


アキミ

「なっ、うるさいなぁ…お前まで、なんだ?………あ。馬車が粉砕されてる…馬もいない」


ヒナミ

「ど、ど、ど、どうしよぉぉっ!?」


ジキア

「どうしようももねぇだろ!どうすんだこれ!」


アキミ

「あっはっはっは!よっし!走ろうっ!」


ジキア

「えぇ~っ!?正気か?あと二日はかかるぞ!?」


ヒナミ

「えぇー!?走るの!?」


アキミ

「あぁ!行こう!!あっはっはっはっは!!!」


◆SE砂利道走る


ジキア

「まじかよ……ぁぁあ!走るよ!走ればいいんだろぉ!!」


◆SE砂利道走る


ヒナミ

「えぇ……もぅ!フフフッ、でもこれしかないかー…待ってー!二人共!!」


◆SE砂利道走る



ヒナミN

こんな日常も私は幸せだった…ずっとこんな日が続けばいいのに。私はそぅ願っていた…



●間5拍



アキミN

大会会場に締め切りぎりぎりにつき休む間もなく始まるヘッドハンターズ。走り疲れ満身創痍で挑むことになったが…私は心配していなかった。私達にかなう相手などいるように思えなかったからだ。私は向けられる殺気で相手の力量がわかる。今回も大したことがないと思った。



●間5拍


◆SE斬る


ジキア

「お疲れさんっ。相手が悪かったな…俺達を倒したければ、赤竜や魔人、古の魔女でも連れてくるんだな」」


◆SE納刀

◆SE歓声


ヒナミ

「今回も危なげなく優勝できましたね、姉さん。これで10連覇ですよ」


アキミ

「あぁ。これでまた一年…平和な世界更新だな」



ヒナミN

今年も何事もなく終われた…私は毎年…気が気ではなかった。毎回いろんな方法で私達を消そうと企む国々が増えてきているからだ。ここに来るときに待ち伏せしていた北東のジェラス国もそうだ。あからさまに私達を消そうと躍起になっている。二人は気づいていないだろうが会場にも暗殺者が何人も潜んでいた……私は会場についてからというものずっと気を張りつめていた。毒殺をも警戒していたため食事もろくにとっていなかった……



ジキア

「ん?どうしたヒナミ。…帰るぞ」」


アキミ

「そうだな、ここは殺気に満ちている。早く行こう」


ヒナミ

「気づいていたのね、姉さん…」


アキミ

「もちろんだ…あのような粗雑で乱暴な殺気では私達は倒せない…が。問題はあの凍りつくような殺気だ……一人ヤバイのがいた…しかけてくるつもりはなさそうだったがな」


ヒナミ

「ぇ……そんなのがいたの?」


ジキア

「あぁ……あれはまじもんだ……殺意、といっていいのかわからない感情だったな。虫の眼か…はたまた死んだ魚の眼か…とにかく帰ろう」


ヒナミ

「ぅん…………なんてこと…全然気づかなかった……」



ヒナミN

2人は私以上に周りに気を使っていてくれていた……けど、そんな2人が言う【ヤバイの】とは……何だろう…嫌な予感しかしない。


●間5拍



◆SE虫の鳴き声+たき火


ジキア

「半分ぐらい来たか……何とか無事に帰れそうだな…また来年…だな」


アキミ

「あれを相手に……私は来年また勝つことができるだろうか?ジキア…私は気配だけで、殺意だけでここまで思うことは初めてだ……たまらなく…怖い」


ジキア

「大丈夫だ……安心しろ。俺とお前が組めば大丈夫だ…お前に届きそうな刃は俺が刺し違えてでも払いのける」


アキミ

「ありがとうジキア……でも、私はもっと強くならなければいけない」


ジキア

「あぁ……来年、やつは必ず参加するだろう…いつも以上に訓練しないとな」


アキミ

「大切な国の為…妹の為、そして…貴方の為に私は戦う」


ジキア

「あぁ……この命つきるまで、やってやろう」



ヒナミN

私は寝たふりをしながら聞いていた……二人の会話を……全く弱音を吐かない姉さんが………私も、強くならなきゃいけない…そう誓い眠りについた



●間5拍



ジキアN

その一年間、タハバナは平和だった…悪い噂といえば南の国ミレクアで無差別大量殺人があったことぐらいだろう。【踊る魔女】が居たと皆が噂していたが…会場に居たヤツと関係があるのだろうか…あれほどアキミが怯えた相手だ。来年までに心も体も鍛えないと。


ヒナミ

「おはょ~……って、こんな朝から稽古してるの?」


ジキア

「あぁ、おはようヒナミ」


アキミ

「起きたか妹よ。日々鍛錬を怠らずにだ。体が鈍ってしまう」」


ヒナミ

「ほどほどにねぇ?私はタハバナまで食糧買ってくる!」


ジキア

「一人で大丈夫か?」


アキミ

「世の中物騒だ、私がついていってやろう」


ヒナミ

「大丈夫よ!私だって強いんだから…ね!」


ジキア

「ん、まぁ、そう……だな」


アキミ

「……いゃ、だめだ。私もついていくぞヒナミ」


ヒナミ

「大丈夫だって」


アキミ

「しかしだな──」


ヒナミ(台詞被せて

「しつこいよ…平気だっていってるでしょ?…ねぇ……二人は何に…怯えているの?教えて?」


アキミ

「……別に……何も」


ジキア

「……あぁ」


ヒナミ

「嘘ょ……前回の大会から様子がおかしいもの……最後に聞いた…一人ヤバイのがいたと…あれでしょ?」


ジキア

「っ!?………違う…関係ない。俺達はもっと強くならなければいけない。もっとだ」


アキミ

「………あぁ。万が一にも…負けられないんだ…負ければ「死」が待ってる。そういう世界だからだ、ヒナミ」


ヒナミ

「二人はさ……いつからそんな弱くなったの!?以前より笑わなくなった…前はもっと楽しそうにしてた!!なのに……ずっと暗い顔して、訓練して……そんなに戦いが好きなの?」


アキミ

「そういうつもりはない…私はただ……」


ヒナミ

「……買い物…行ってくる……ついてこないで」


◆SE走る


ジキア

「……大丈夫だアキミ。この国まで脅威が来ることはない」


アキミ

「……あぁ、そうだな」



ヒナミN

私は、前のように暮らしたいだけ…今しかないこの時を。3人で…なのに、なんで……


●間5拍


アキミ

「やはり心配だ…何やら胸騒ぎがする……」


ジキア

「俺もだ…迎えに行こう」


◆SE歩く音


アキミ

「ヒナミか?速かっ……た………お前は誰だ」


ジキア

「……」


エンス

「会うのは二回目かと思います」


アキミ

「……いゃ、記憶にないな」


ジキア

「あぁ……何者だ」


エンス

「これで、わかっていただけるでしょうか?」


◆SE圧


アキミ

「っう!??」


ジキア

「ぐっ!!!」


エンス

「思い出してくれましたか?」


アキミ

「貴様っ…あの時会場に居た」


ジキア

「この殺気……間違いない」


エンス

「この距離で私の圧に耐えられるとは。やはり凄いですね…さすがあの大会を10連覇するだけのことはある」


アキミ

「くっ……何の用だ…私達を殺りに来たか?」


エンス

「いいえ、優秀な人間を見つけたので交渉にまいりました」


ジキア

「交渉、だと?……くっ」


エンス

「あぁ…すいません圧を解くのを忘れていました。はい」


アキミ・ジキア

「ぐっ!くはっ!……はぁ、はぁ、はぁ……くっ!」


エンス

「これでも意識があるというのですから…さすがです。」


アキミ

「…はぁ、はぁっ…何の交渉だ」


エンス

「もっと強く、なりたくは。いけませんか?」


ジキア

「はぁ、はぁ、何を言ってやがる」


エンス

「人の言葉ですが…そうか、話し方おかしですか?合わせているつもりなんですが」


アキミ

「…意味のわからないことを」


エンス

「私を喜ばせてくれたらいい物を差し上げましょう。さぁ、剣を取ってください」


ジキア

「…そっちから来い」


エンス

「なるほどなるほど…暴力は正当防衛なら言い訳がたつ。理にかなっていますねぇ。ではこちらから…」


◆SE消える+蹴る


ジキア

「ぐぅぅぉぉおっ!!」


アキミ

「ジキア!!!貴様ぁっ!!!」


◆SE抜刀


エンス

「はぃどうぞ」


◆SE空振り


アキミ

「ちぃっ!!はっ!やぁああ!!でゃぁああ!!!」


◆SE空振り連打


エンス

「ほぅほぅ…なかなかに速い」


アキミ

「まだまだだぁぁあああ!!!」


◆SE超速で空振り連打


エンス

「おおっ……これはこれは」


アキミ

「ジキアぁぁああ!!!」


ジキア

「ぅぅぉおおっ!!!」


◆SE大きく振り→斬る


アキミ

「…斬った!」


ジキア

「っしゃぁああ!」


◆SE落ちる


エンス(耳元で)

「やりますね」


アキミ

「なっ!?確かに首が飛んだハズ……なんだっ…」


ジキア

「くっ!?……貴様、斬ったはずだ…しかし、なぜ!?」


エンス

「実に面白い方達だ。……良いでしょう……これを差し上げます。ただし一つ…どちらかが体内に取り込むこと。体内に取り込まないと意味がありませんので。」


ジキア

「………なっ、それは……ラニ…アガスの種」


アキミ

「…?……ジキア、それはなんだ?」


エンス

「私としては、アキミ、あなたに召し上がっていただきたいですね……面白くなりそう…なので───」


アキミ

「貴様っ…これはなんっ……消えた……」


ジキア

「……国王に話そう…俺達には荷が重すぎる品だ……」


アキミ

「…なぁ、これはなんなんだ…説明してくれ、ジキア」


ジキア

「……ラニアガスの種……伝説級の代物だよ。食うととてつもない力が手に入る。昔の神話にでてくる天界人ラニとアガスが作ったとされる種だ。…まぁ、これを作ったおかげで二人は天界を追い出されたって話だ……曽祖母から聞いた昔話だよ」


ヒナミ

「ただい…ま……どうしたの!?二人共っ……」


アキミ

「ヒナミ……無事でよかっ……た…」


◆SE倒れる


ヒナミ

「お姉ちゃん!!」


ジキア

「すまん……アキミをベッドに……」


ヒナミ

「何があったの!?お姉ちゃん!?お姉ちゃんっ!!」



ヒナミN

ジキアは詳しく話してくれた……あの時のヤツが来たと。そして、すべての根源、強欲の塊「ラニアガスの種」を置いていったと。



●間5拍



アキミ

「ん……ここは…」


ヒナミ

「ようやく起きた……私達の家だよ。大丈夫?お姉ちゃん」


アキミ

「あぁ……うっ!!頭がっ…痛い…」


ヒナミ

「あぁっ!まだ横になってないと……もぅ大丈夫だから…安静に」


アキミ

「……悪い…ヒナミ……ジキアは?」


ヒナミ

「お城に行くって。…ラニなんとかの種を王に見せて指示を請うってさ」


アキミ

「そうか……」


ヒナミ

「ごめんね…お姉ちゃん……そんなヤツから守ろうと必死になっていたのに……気づかずに…私…」


アキミ

「謝るのは私達のほうだ……隠していてすまなかったな、ヒナミ」


ヒナミ

「うぅん……ありがと、お姉ちゃん…」


アキミ

「私が護る…お前も、ジキアも……」


ヒナミ

「うんっ……」



◆SE扉勢いよく開く



ジキア

「アキミッ!ヒナミっ!!はぁっ、はぁ」


アキミ

「っ!?……どうした、そんな慌てて……」


ジキア

「逃げるぞ……早く準備しろ!!急げっ!!!」


ヒナミ

「何…何なのょ……」


アキミ

「……あぁ…わかったょ……いってて。まったく騒がしいやつだ…」


ジキア

「鎧なんていい!!剣だけ持って逃げるぞ!!!タハバナ軍が来る」


ヒナミ

「え?……どういうことなの…ねぇ…」


ジキア

「走りながら話す…行くぞ!!!」


アキミ

「あぁ……ヒナミ、すまない、肩を貸してくれ……」


ヒナミ

「うんっ…」



●間3拍



アキミ

「……それは本当なのか…ジキア」


ジキア

「あぁ……こいつを見せたとたん目の色変えて奪いに来た……信じられるか?あのお優しい王がだぞ」


アキミ

「何なのよ……その種……」


ヒナミ

「よく逃げれたわね……でも、このままどこに逃げればいいの?」


ジキア

「隣国のドーマに逃げよう……タハバナより治安は悪いがまだましだ…今はこいつを持っていることだけは知られてはならない……これは葬り去らないといけない物なんだ」


ヒナミ

「うん、わかった……これだけ私達頑張ったのに……酷い仕打ちね…そんな物があるから……」


ジキア

「よし、もうすぐ街の出口だ」


◆SE弓を引き絞る


アキミ

「だめだっ!!!伏せろっ!!!!」


◆SE矢の雨



ヒナミ

「うぁ゛ぁっ!!!」


アキミ

「ヒナミっ!?くっ…待ち伏せ……タハバナ軍が……なんで!?…ヒナミ!?ヒナミィ!!」


ジキア

「ぐっ…何発かもらったなっ……」


アキミ

「これは、毒?………急所は外れてるけどヒナミの意識が戻らないよ!ジキア!!」


ジキア

「……これは…もぅ……お手上げとしか言いようがないな………前も後ろも軍隊……全軍、いるんじゃないのか……」


アキミ

「なんで……なんでよっ!!私達が何をしたっていうの!??ねぇええ!!」


ジキア

「……すまない…俺がコイツを王に知らせなければこんなことには……」


アキミ

「うぅん……ジキアはこの国の為に行動した。間違ってないよ……私達はいつも国のために行動してきた。平和な世にするため努力してきた…なのに……なのにこれは……あんまりすぎやしませんか…王様っ…酷すぎやしませんか……こんな仕打ち…」


ジキア

「こんなものに踊らされやがって…馬鹿どもが……よく見ておけぇえええええ!!!こんなモノは焼き払ってくれる!!!」


◆SE火をつける

◆SE弓引き絞る


アキミ

「避けてっ!!!ジキアぁぁあ゛!!!!」


◆SE矢がいっぱい刺さる


ジキア

「ぐぅっ!!?……ア、キミ……逃げ…ろ…こいつを、持って……逃げ……」


◆SE倒れる


アキミ

「っぁぁああああ!ジキァァアアッ!!………そん、な………なんで……こんなことに……そうだ…コレだ…コレのせいだ…全部これのせい……」


エンスN

「(私としては、アキミ、あなたに召し上がっていただきたいですね……面白くなりそう…なので───)」


アキミ

「………くっ!」


◆SE噛む+飲み込む


アキミ

「…………ううっ!!?…がぁっ!!がはっ!ぉぉえぇっ!熱い……熱ぃ!!体がっ…がぁはっ!燃えっる……息がっ!止まるぅ!!ぐぁぁぁあああっ!!!あぁぁぁぁあああああああああああああ゛あ゛!!!!」


ヒナミN

夢うつつに姉さんの叫び声が聞こえる……何をしているの、姉さん…ねぇ……姉さん


アキミ

「……ふっ…ふっ…ふっ………おいお前達。全員死で償え。」


◆SE剣風+岩が飛び+粉砕する


アキミ

「これがこの種の力というわけか。実に爽快だ…晴れ晴れとしている。だが?お前らはなんだ?地上を這う蟻の大群のようではないか。無様だ、消えうせろぉぉぉぉおおおお!!!!!」


◆SE弓矢ひきしぼる→打つ

◆SE剣超高速


アキミ

「はぁあっはっはっはっは!!!!あっははははははは!!!楽しいぃぃいい!楽しいぞぉぉおお!!じきぎあぁぁあああ!!………ん?きぎあ?…だっけ?誰か居たような気がしたんだが……まぁいいか。ん?私の名前はなんだ?…ん?あ、キギア?キギアか!キギア様だぁぁあ!……おい。何逃げようとしている…泣いて許しを請うても許さんぞ?…磨り潰されろ。恐れ慄け。叩き死ね。この私に全員殺されろぉっ!たった一人に国ごと滅ぼされてしまえぇ!!」


◆SE遅い足音


ジキア

「あ……きみ…生きて…」


アキミ

「………あ?……誰だお前。邪魔だ」


◆SE刺す


ジキア

「ぐっ……ぐほぁっ」


◆SE倒れ込む


アキミ

「弱っ……何コイツ。さ、王様こーろそっと」


◆SE足音




●間5拍


ヒナミ

「ぅ……ぅぅ…こ、これはっ……軍隊が全滅してる……何でっ……はっ!?姉さんはっ!?ジキア……は……この兵まだ息があるっ……敵が攻めてきたの!?ねぇ!これは誰がやったの!?……あ?……き?……何っ…ねぇ…アキミとでも言いたいのっ!?ねぇええ!!………くっ……ぁ…………ジ、キア……ジキアだ……なんで……なんで……ジキア!ジキア!!」


ジキア

「ひ、ナミ……無事…だっ…たか……よか……った」


ヒナミ

「喋らないで!!大丈夫!大丈夫よ!!!」


ジキア

「き…け………この……剣で……アキミを…討て……わが、さい、あ、い…の」


ヒナミ

「ジキアっ!?……ジキアぁぁぁぁあああっ!!!!」




●間5拍



ヒナミN

この日、タハバナ国は滅んだ。



アキミN

Living by neck hunting side story 【 OVERTURE TO MADNESS 】





●間5拍




キギア

「さぁ、残りの種はどこかな」






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