第48話行田 満願寺の枝垂れ桜

48 行田 満願寺の枝垂れ桜


  平成二十一年四月七日


 行田の満願寺という寺に枝垂れ桜があると知り出かけてゆく。


よく行くさきたま古墳の近くなので道はだいたいわかる。


駐車場に車を入れて本堂の方に歩いてゆくとすぐ左にお堂のような


建物がある。


八重桜の花が咲いていてきれいで有る。


そこへ上がるのに数段の石段があるがその石段を巻き取るように


木の根が石段を抱いている。


が、根っこの印象が強烈で何の樹だったのか覚えがない。


本堂に上がる所、表から来たら参道の終わりに大きな背の高い樹が


ある。


何の樹なのかわからないが時間があったらスケッチしたい魅力の有る樹だった。


さて、目的の枝垂れ桜は本堂の左奥に見えている。


はやる気持ちを押さえてゆっくりと桜に近ずく。


樹は斜めに傾き根元は朽ちかけている。


樹齢六百年なのだから仕方ない。


頑張ってこんなにきれいな花を見せている樹に感謝。


見る場所によっては細い枝がカーテンのようにかかっていて


その幹の様子を隠している。


その裏側に回ると、本当の私はこっちよと言いたげに朽ちた素顔をさらし、


その幹の傾いた上の方には草などが生えている。


一回り樹を巡って見ると枝が四方八方へ延びそれぞれが細い枝を


自由気ままに垂れ下がらせまとまりがない。


龍がのたうち回って居るかのようだ。


最後の力を振り絞って花を咲かせてくれている。


桜の樹の奥の方には小さな沼のような池があり、濁った水がちょっと怖い。


桜を挟んで本堂と逆の方は少し丘になっていて小さな桜の樹が植わっている。


将来がたのしみだ。


椿の花も咲いているのでまた来よう。


今日はもう二、三ヶ所行きたいところがあるので気がせいている。



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