第19話 石戸の蒲桜
19石戸の蒲桜
平成十五年四月八日
朝から曇り空だったので雨が落ちないうちに出かける。
古河の花桃を見に行くつもりだが途中、石戸の蒲桜を見ていくことにする。
蒲桜の周りにある染井吉野はもう花吹雪である。
風があるので花吹雪を見るには最高であった。
美味しい冷酒でも用意して桜の下に茣蓙でも敷いて大杯になみなみと注いだ酒に
花びらを浮かべて飲みたい気分。
そして花に埋もれて昼寝したい。
今度こそ蒲桜は丁度良く咲いていて機嫌の良い姿を私に見せてくれているが
花吹雪の中で満開では目立たない。
今回はこの間とは別の方向からスケッチしてみる。
蒲桜を後ろに見て、前にその子供を見るという形である。
それにしても根元の墓石のようなものが気になる。
誰かの墓守のために植えられたものなのだろうか。
それとも西行法師のように「桜の下にて春死なむ、その望月の頃」を
実行しちゃったものだろうか。
それにしては妖しい美しさは感じないから、きっと違うのだろう。
古河の花桃が気になるので早々に切り上げる。
飽きるほど見ることは出来なかったが花吹雪の中で五大桜を見ることが出来て
素直にうれしかった。
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