「ああ、、その。。君が!!」

@kitin

第1話 青葉という男

これを見ている読者は考えたことがあるだろうか、、、

私たちは、この地球という素晴らしい星のもとに生まれ、ある一定に人たちが素晴らしい人生を送り、

この素晴らしい星で消えていく。


そう、誰かの記憶に残る  のだ。

人によっては、自分の意志や理想を後世に残すことができ、誰かの手助けになることだろう。

ではもし、一度死んでしまったら、誰の記憶にも残らないとしたら、、、?

誰も覚えていない、思い出すこともできない、そんな世界があったとしたら、

そしてその世界の変化に君自身が気づいてしまったとしたら、、、あなたならどうする??



第一話 青葉という男


「うぅっ、、、もう朝か。。ゲッ!目覚ましなってないじゃん!」

俺の名前は青葉若菜。都立高校に通う高校2年生だ。訳あって今は、実家を離れ、姉と二人暮らしをしている。姉が目覚ましをかけ忘れていたことと、一週間前にあったある出来事がまだ忘れられず、姉に怒りをぶつけた


「浅姉!目覚ましかけといてって言ったよね!?俺今日大事な用事があるから

 遅れられないって昨日百回ぐらい言った気がするんですけど!!」


こいつは浅姉。青葉浅。歳が3つ上で大学生だが、どうも自覚が足りない。掃除も洗濯もろくにやらないし、帰ってきたらすぐ違う男を連れている淫乱女だ。


「いや、目覚ましぐらいかけるわw 起きなかったのはお前だろ?逆になんでこの

 おっさんのいびきみてぇな目覚まし時計で起きねぇんだよ」


「だから!俺は朝が弱いっていつも言ってんだろ!!家事する代わりにここだけお願いって 

 土下座してまでお願いしたじゃん!!」

 

言ってて自分でも情けないと思うが、俺は本当に朝が弱い、どのくらい弱いかというと身内が全員死んでしまったら誰が自分の面倒を見るのかと一生考え続けなければいけないほど深刻だ。


「とりあえず時間ないから、、、ふぃへひまーす!!」

朝食に並んであった冷めた食パンを口いっぱいに頬張り、急いで家を出た。


「はぁ、、全く、、寝坊助さんの癖はだらから受け継いだんだろうねぇ、、なぁ爺さん??」


浅は、遺影を見てそうつぶやいた。



その頃 若菜が通う私立仙波高等学校では、、、


「~であるからして、私は以上の経験から、生徒会会長に立候補しました、、、皆さん清き一票をよろしくお願いします!」


この学校では生徒会選挙の真っ最中、生徒会に入ることで未来が約束される。

また、この私立仙波高等学校での生徒会メンバーは、ほかの生徒にはない

ある権利を得ることができる。それを知ることができるのは、また後の話、、


「~では続きまして、2年3組 青葉若菜君。お願いします、、、あれっ、、いないのかな?仕方ありませんね、今回は彼は、、、」

 

 と校長が言いかけた時だった。


「すみませんんんんんッ 遅れましたぁぁぁ!!」


それはそれは、結婚式場での名シーンを再現したような登場だった。


「君は、、青葉君、、かね?ずいぶん汗をかいているね、、遅刻はいかんが、今は不問にしよう。君の番だ。演説したまえ。」


少々校長も戸惑い気味だったが、何とか生徒会選挙に出馬させてくれた。

演説台へ向かう階段で疲れのあまりこけそうになり他の生徒にくすくすと笑われる

恥ずかしさにもたえ、ようやく演説台にたどり着いた。


「え~皆さんこんにちは、青葉若菜です。私が生徒会会長に立候補した理由は、ゲホッ、ゴホッ、、ある一つのことに興味があったからです、、そう、生徒会メンバーに入れば、唯一手に入れることができるという権利!!私はこれにしか興味がない!!

生徒の意見を聞く?学校の未来にため?そんなの関係ありません。この権利とやらが一体何なのか、確かめる事だけに私は皆さんの一票が欲しい!以上です!」


演説が終わりしばし静寂が会場を包んだ。だがすぐさまそれはブーイングとなり変わった。それもそうだ。もともと生徒会メンバーというのは、極論生徒に何かしらのメリットがあることを提示し、媚びを売らなければならない。しかし若菜は、ただ自分の興味本位の為だけに一票をもぎ取ろうとしているのだ。 

それに生徒会選挙に出馬する条件として、一千万支払わなければならなく、出馬したくても金銭の影響で参加することもできない多数の生徒から罵声を受けていた。


「青葉若菜君といったかな?いい加減にしなさい!!何のためnー」

「俺が間違ってると思うならそれでいい!!ただ一つ、君たちにメリットを言おう。

 俺を生徒会会長にしてくれれば、この権利に内容を教えてやる。本来は機密事項み

 たいだが、俺がそれをみんなに教える、、てのはどうだ、、??」


すると、ブーイングで荒れていた生徒たちの雰囲気が雲一つない快晴のように晴れた

この生徒会に入る目標として「ある権利」とはなんなのか解明したい人たちにはいい話だったからだろう。


「君の話は終わりだッ!!席に戻りたまえ!!」


校長が鬼の面をしてこちらを見ている。さすがに憂慮すべき事態ととらえた若菜は、そそくさと席に戻った。

ちなみに、さっき言ったことは冗談だ。学校の機密事項を他人に漏らすことは、社会においても言えることだが自分の首だけが飛ぶだけとは限らない

俺はそんなハイリスクノーリターンなことはしない。ただの点数稼ぎだ。

そう思惑に浸っていると隣から声をかけられた。


「やっぱり君は、昔から性格が悪いんだね~あんな博打に手を出すとは、、、」


「お前の腹黒さには負けるけどな、、その優しい顔からは想像できない、腹黒さが   ね」


こいつは嵐山 俊。昔からの幼馴染だ 成績優秀、スポーツ万能、さらに特出すべきは嵐山グループ財閥のご子息様であること。資産も地位もこちらが負けている。

だからこそ俺は、この賭けに出るしかなかった。


そうして若菜の言動で波乱となった生徒会選挙も幕を閉じた。

教室に戻ってきた若菜たちは生徒会選挙の投票の時間になるまで待機していた。

すると若菜のもとに何人か生徒が寄ってきた。


「若菜、お前、演説で話してたこと本当なんだろうな??」


「若菜、俺はお前を信じるぜ」


やはり演説で言った言葉が生徒たちにはかなり効いているようだ。ただあれは

票を討ち取るための真っ赤なウソ。だからこそ若菜は胸を張りこういった。


「信じるか信じないかはどっちでもいいが、一千万なんて払えないだろう?」


この言葉に寄って来ていた生徒たちは皆黙ってしまった。

ただここで一つ疑問が出てきたと思う。青葉若菜は財閥グループでも

お金持ちでもない。では一体どうやって、一千万を用意したのか、、、

それは、2年前へと遡る、、、、、、



      第一話       終

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