渡り鳥の魔王
寝付き
とある記憶喰らいの魔王と勇者の話
とある記憶喰らいの魔王は言いました。
「僕は何一つ間違ったことはしていない」
と。
それに対して魔王に剣先を向けたまま微動だにしない碧眼の勇者は言います。右目は赤く染まっており頬を血が伝っていました。
「いや、お前は間違っていた。お前の行動は、すべて間違っていた。その結果がこれだ」
その言葉を聞いた魔王は浅く笑って……そして、勇者の剣に胸を刺されました。こうして勇者は“一人”で悪い魔王を封印したのです。
めでたし、めでたし。
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